本題〜書斎探索〜
魔法の本を棚にしまうと書斎の中央、机を見た。
ここまではただの日課。本当の探索はここから始まる。
「今日こそ見つける…お兄ちゃんの秘密を!」
お兄ちゃんとは、ロウのことだ。名前が出ているが、ロウは家主、ソフィアはそのパートナーに当たる。フィアラは二人の子どもではなく、居候のような存在だった。なんでも彼女が行き倒れていた所をロウ達が見つけて保護したのだとか。フィアラ自身、その前後の記憶は曖昧だがロウ達と兄妹のように過ごし、お世話になっている事実は変わらない。そんな生活ももうすぐ5年になるだろうか。
その義兄はよく書斎に篭り、何かをしている。何をしているのか尋ねたこともあったが特に教えてはくれなかった。しかし気になって仕方ない。
「だからこそいない今がチャンス!鬼の居ぬ間になんとやら!あたしの探究心は世界を待っている!!」
…決めたものの違う感じをして首を傾げる。ま、いっかとつぶやき机を見据える。椅子の目の前の引き出しに手をかけ力を入れる!勢いよく開いた先に映ったものはーーー
「キレイッ!!さすがお兄ちゃん!!!」
なんということでしょう。乱雑な資料の山などはなく仕切りで区切って整頓され、小物等が整列をするかのように揃えられているではありませんか。
「って違うよ⁉︎感動してる場合じゃない!次!そりゃあっ!!」
次々に開け放たれる引き出し。しかし目ぼしいものはなく開けきってしまう。何度も確認するもののおかしなところはない。
「むむむ…やっぱないのかなぁ…」
椅子に座って伸びをする。背中を反らせ、凹凸の少ない上半身を強調ーーー
「少しはあるもんっ!!」
何かに反応しバンと机を叩く。とその拍子に机に置いてあった鏡を落としてしまう。
「いけない!割れてないかな⁉︎…ん?」
拾おうとした時、違和感を感じて机を見上げる。机の底の色が微妙に変わっていた。
「これって、つまり…⁉︎」
気づき、引き出しを開ける。綺麗に整頓された引き出しを最後まで引く。奥の方に小さな持ち手があり、持ち上げることができた。奥には、一冊の本。
「ついに見つけた!これはきっとお兄ちゃんの…むふふ…」
興奮しつつ、本を開く。そこに書かれていたのは…
『あれからもうすぐ5年が経とうとしている。観察を続けてきたが目覚める様子はなく良好なようだ。願わくばこのまま何事も起こらず日々が過ぎて欲しい』
「…日記?それに5年って…目覚める…どういうこと?」
他のページを見ようとページをめくろうとしてーーー
「返してくれるか」
後ろから一声、本を取り上げられてしまう。振り向くとそこにいたのは…
「お、お兄…ちゃん…」
家主、ロウだった。




