スターティアの村
ーーースターティアの村。通称、始まりの村。
村の伝説によれば、はるか昔に魔王が存在し人々の生活を脅かしていた時代があった。人間達は魔族達によって狩られ、淘汰され、果てには滅ぼされるかに思われたが、ある冒険者が仲間とともに立ち上がり、魔王を討伐することに成功した。冒険者は勇者と称えられ、世界の歴史にその名を残した。
その勇者の出身がこの村だという。勇者が生まれ育ったとして名もなき村が有名になり、始まりの村と呼ばれるようになって現在に至っている。
一時期有名になった影響もあってか村も大きく発展、冒険者ギルドが建てられて市場も売店が急増し商店街と呼ばれるようになる。
その規模に住民からここって村か?と疑問をもたれるようになり、いつしか村とは言えない村という異名まで付けられるようになった。
ちなみに現在、世界において魔王は存在していないが各地に魔物が生き残っており、街や村から外に出た者が被害に遭うことがある。
その村のはずれに少女が暮らす家はあった。
「ただいまー」
家に入り、靴を脱ぎ散らかしてリビングへ。
普段なら家主が居るはずが、今はいないようだ。
「あれれ?珍しー。今日はいないんだ…ん?」
リビングのテーブルに手紙を発見する。どちらかというと汚めな字で綴られていた。
『フィアラへ、ギルドに行ってくる。書斎は見てもいいが、あまり散らかすなよ。ソフィアは買い物に行くそうだ。すぐに帰るとは思う。ロウ
追伸…お前がこれを見る頃はまだ帰ってないだろうから、脱いだ靴は揃えておけよ。』
「はーーーーい」
少女…フィアラは手紙を抑揚つけて音読すると顔文字の付きそうな声でワザとらしく返事をした。そして手紙をぽいと投げ捨てるーーがもう一度拾ってゴミ箱に入れてリビングから出る。
「むふふ。それじゃ、書斎の探索だー!」
玄関で脱ぎ捨てた靴を揃え、ウキウキとした足取りで書斎に向かった。




