旅立ち
「さて、これで渡したいものは渡したわけだが…」
ロウが空を見上げ、そして目を閉じる。何かを感じ取ろうとして、すぐにフィアラに顔を向ける。
「まだ余裕がありそうだ。何か聞いておくこととか、あるか?」
「聞いておくこと…んー…?」
フィアラも空を見上げて考える。
「剣とか魔法とか…あっ!旅で気をつけるべきこととか!」
ピンと来たように指を立てる。
「ふむ。気をつけることか…剣や魔法については、実はその袋にそういう事柄を書いた物を入れてある。あとで読んで見るといい。気をつけること…ねぇ…」
思いつかないようでロウはソフィアを見る。視線を察したソフィアも一緒に考えてるようだが…
「うーん…そうねぇ…魔力の拡散についてとかどうかしら?」
「お、それいいね。ソフィ、説明してくれよ」
「んもう、ロウ君ったら…いーい?放出した魔力は、多ければ多いほど、周囲に広がるの。そして痕跡として残りやすくなってしまう。つまり、逃げる立場のあなたが大きな魔力を使うと後を追いやすくなってしまうの」
フィアラは首を傾げて質問する。
「んじゃあ、あまり魔法は使わない方がいいって事?」
「そうね。それでも使うとしたら最小限の魔力がいいわね。どんな魔法も練習次第で少ない魔力量で行使が出来るから。それでも、闇の魔力だけはあまり使わない方がいいかもしれないわ」
「なんで?」
「闇の魔力は本来、悪魔族とか人間にとって害悪な存在だけが使うもの、というのが一般的な認識なの。その分、感知する技術も発達しているわ。少ない魔力量でももしかしたら危ないかもしれない。特に、この南の大陸ではね」
だから、闇を使うのは南の大陸を出たらにした方がいいと付け加えられる。
「ん、わかった。捕まるのはイヤだし、しばらくは出さないようにするよ!」
頷いて答える。ソフィアも笑顔になり頷く。
「後は大体袋に入れてもらった本に書いたから、参考にしてね。…こんなところかしら?」
ロウに振り返る。ロウはまた空を見上げ、難しそうな顔をしていた。
「うん、そうだな。そろそろ行った方がいいだろう。フィー、旅路はお前が決めていくんだが、なるべくここからは早めに離れた方がいい。追っ手がいないとも限らないからな」
「本当に気をつけて行ってね。いろんなものを見てきてね。お土産話、期待してるわよ!」
「うん…ロウお兄ちゃん、ソフィ姉、今までありがとうございました」
二人を改めて見て頭を下げる。これまでを振り返って、本当にお世話になった二人だった。感謝の気持ちを伝え、頭を上げる。そして…
「それじゃ、行ってきます!!」
とびきりの笑顔を見せてから、背を向けて走り出した。
内心はとても不安だ。けれど、世界を旅することが夢だった。目まぐるしく状況が変わり、準備せぬままに始まってしまったフィアラの旅。彼女の行く先には、何が待ち受けているのか。それは誰にも分からないのであった。
ついに、旅立ちました。
ここまで来るのに16ページ…もっと短くなるかなと思っていたので長くしてしまったかなと思います。
1ページをもっと長くすればページ数縮められるけどもw
いつの間にやらお気に入りしてくれた方もいらっしゃいましたね。稚拙な文章ながら、このような感じで自由に書いていこうと思いますので、今後ともどうかよろしくお願いします。




