3話 無能者(サクマ・リョウタ)
1週間で投稿できたー。
「サクマ・リョウタさん。あなたは無能です」
その言葉を聞いた時は正直、気絶しそうになった。
異能というのには、固有武装という物が絶対にある、といわれている。
検査というのは、その固有武装を強制的に出現させる機械を使う。
つまり、俺はその機械を使っても固有武装が出なかったのだ。
「まぁ、仕方ないか...でも、少し気になる事があったんですけど…検査している時に鎖のような音がしたんですけど、仕様ですよね?」
「鎖のような音、ですか?」
「はい」
「おかしいですね?そんな音はしない筈なんですけど」
(俺は検査の時、鎖の音が確かに聞こえた。それなのに、そんな音がする筈ない?)
「そんなバカな!」
「多分、幻聴でしょう」
「そんな...いや、分かりました。俺は帰って、病院に診て貰いに行きます。ありがとうございました」
結局俺は、鎖の音は幻聴、と言い聞かせ帰ることにした。
帰り際
「お前、無能だったようだな。はっ、俺の言った事が現実になるなんて世界は俺を中心に動いているに違いない」
朝の青髪に声を掛けられた。今の言動から察するにこいつは
「ナルシストか」
「聞き捨てならんなぁ、その言葉。無能が何をほざいている...って、逃げるな!
人の話は最後まで聞け!」
青髪ナルシストの隙を見極めて、逃げた。正直、面倒臭い。
(何か、最後は真面目な事言ってた気がする。...気のせいか。)
家に帰った俺は、病院は行かず、寝る事にした。
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その女の子は、絶望していた。
目の前には、血の海がある。
その子は、誰に言われなくとも人を助けた。
しかしその子は、誰にも信用されなかった。
異能というものが、まだ広く知られていなかった時にその子は生まれた。
15年後、その子が生まれた村に怪物がきた。
その子は、無数の鎖と一本の剣で怪物を倒した。
だが、その子向けられたのは賞賛ではなく、恐怖や嫌悪の目だった。
「何故私は、生きているの?」
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「はっ...。何だ?今の夢」
数時間後に起きた俺。
今の時間は16時半ぐらい。
「あの女の子は確か...朝、鏡に映った子か?まぁ、いいや。晩飯作ろう」
疑問を覚えながらも、のんきに晩飯を作ろうと思う、俺であった。
次話はちょっと長くなると思います。