気晴ら詩「片想い」
あっまただ
またあの人の姿を追いかけてる
そんなことに気が付いた
6月のある日
だめだ、だめだと思うほど
募る想い、重なる想い
夏が香りはじめても
心の雨は降り続く
陽の光は金に煌めき
虫は歌い、草木は踊る
雨で洗われた私の眼には
見たくないのに見えてしまう
夏の雨は強く激しく突然に
空は蒼く高くなり
キンモクセイが鼻をくすぐる
山は綺麗に鮮やかに
されど心は灰色に
外は一面枯木色
息は白く、顔は赤く
空には碧い月の光
だけど灰色だけは
いくら探しても出てこない
雪が解け、七色に染まる世界
ずっと最初からわかってた
私は一人ぼっちじゃないってこと
心は晴々と、だけど目からは雨が降る
だって
だってあの人も片想い