秘密ゴトⅡ
時刻は4時50分。
私は今塾にいます。個別指導塾で、授業開始時刻は5時。まだ10分ある。
いつもより少し早く家を出たのはあの人に早く会いたいから。
「あー!玲菜久しぶり!」
同じくここに通う弘子が私に声をかけてきた。
別に弘子に会うために早く来たわけじゃないんだけどなぁ・・・
まあ友達だからいいんだけどね。
「久しぶり」
「玲菜、石鹸のにおいするー」
「行く前にお風呂入ってきたからかな?」
「はやッッ!」
「そう?」
「うちいつも10時くらいに入るからね」
「おそッッ!」
「そう?」
お互い顔を見合わせてぷっと吹いた。そこへ。
「何ー?楽しそうだね」
軽く茶色の入った髪。
いかにも理系の黒縁めがね。
高いとはいえない身長。
ちょっと大きめの白衣に身を包んでいる。
(ここの塾は塾長以外みんな白衣です)
この人は中谷嘉樹先生。
ここの塾講師の一人。そして・・・
(あ・・・///)
私は心の中で歓喜の声をあげてしまう。ヤバい。かなりヤバい。
そう、中谷先生こそ私の好きな人です。
「えー。先生何しに来たのー?女の子の会話してるのにさっ」
弘子が中谷先生を不満げに見る。
「え、ごめんwww」
そう言って先生はどっかいってしまった。
弘子・・・なんてことを!
「まったくさぁ!」
弘子は機嫌が悪そう。
「ははは・・・」
私は笑うしかなかった・・・。
Bコマの授業が終了して私は自習のため席を移動。
只今6時20分。
次の授業は6時40分から。
弘子はいつもBしか入れてないから私はこれで先生と
ゆっくりお話ができちゃいます!
とりあえず次の授業の席を確認しに行くことに。
(13番・・・か・・・)
先生は何番で授業かなー?
え、24番?遠いなぁー。
どうしよう、話しかけに行くべきかな?
迷ってる時間がもったいないDEATH★
「君今から自習なんだ?」
「!?」
いきなり喋りかけられてびっくりして振り向くと
そこには愛しの中谷先生が立っていました。
「そ、そうです!自習ですよー」
「頑張れー^^」
「えへへ///」
先生とおしゃべりできただけで頑張れますよ。
「あー。腹へったよ、俺」
「はい?」
「へらない?君、3時間も授業入ってるし」
「いやぁ・・・私最近あんまり食べないんで」
「夏バテ?」
「違いますよッ?い・・・色々あるんです」
「失恋・・・か」
「そ、そんなわけないじゃないですか」
ええ。
口が裂けても先生が好きなんですよー
なんて言えるわけないですからね。
「?」
「ない・・・ですよ。そんなの」
「ならいいけどさー」
「へ?」
そこでちょうど予鈴が鳴った。
「まあ自習頑張れー」
私は色々と疑問を持ちながらも自習を始めたのです。
先生との展開はあるのかッ・・・!?