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続・VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
老兵は消えず、ただ戦うのみ
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ようこ、狙われる

 おばあさんたちはロビたちを先頭にして、通路の入り口へと走った。


 ロビは入り口を守っている騎士たちが大勢いるのを見て、おばあさんたちに大きな声で言った。 


「わたしたちが先陣を切って進んでいきます! 横から抜けてくる敵を皆さんでお願いします!」


「「はい!!」」


「では、行きましょう!」


 ロビたちが敵の騎士に向かっていくと美咲もそれに合流して、入り口を守っている騎士たちに突っ込んでいった。


 入り口の騎士たちは意表を突かれながらも慌てて剣を構えて迎え撃った。


「敵が来たぞー! ここで食い止めるんブッ!」


 恐ろしい速さで美咲のレイピアが騎士を一人仕留めると、後からゆぅが走り込んで敵の中へ飛び込んでいった。


 ゆぅは大きく足を踏み出すと、左足を軸に回転して敵を斬りつけ、そのまま盾で敵の攻撃を受け流すと、流れるように突きを放った。


 そして今度は逆に回転して水平斬りを放ち、その勢いで回し蹴りを食らわせて敵を吹き飛ばした。


 ゆぅと美咲が疾風(しっぷう)のごとく斬りつけると、相手の攻撃を僧侶のロビが弾き、その合間(あいま)()うようにしてミツが槍で正確な突きを放った。


「「おおー!!」」


 おばあさんたちが4人の戦いに驚いてると、抜け出した敵に気づいた美咲が大声で言った。


「左からハンマーの騎士!」


 それを聞いたマユはしゃがんで大きな盾で身を隠し、メイが防御魔法を展開した。


 そして、和代も軍神零式を召喚した。


「機械の魔力を手に入れし者よ、我はその力を従わせる者。その激しい力の根源に命を下す。その絶大なる力を今見せよ!」


「ウォォォオオ!!」


 軍神零式は地面から現われると、即座にハンマーの騎士に斧を振り下ろした。


 ガキン!


 ハンマーの騎士はハンマーでガードしたが、その瞬間!


 ズバッ ズバッ ズバッ!


 マユが飛び込んで連続で斬りつけた。


 そしてまた大きな盾に隠れると軍神零式が斧で殴りつけた。


 ガン ガン!!


 ハンマーの騎士は大きくHPを減らすと、突然逃げ出した。


 ダダダダダダダ……


「「やったー!」」


 みんなはハイタッチをして喜ぶと、今度はロビがみんなに叫んだ。


「もう一人抜けました!!」


 ロビが叫んだ瞬間、すでに両手剣の騎士がおばあさんに襲いかかっていた。


「あっ!」


 おばあさんは詠唱する時間もなく両手を頭に置いてしゃがみ込むと、おばあさんの背後から何かが飛んできた。


 ヒュウウ


 ボワッ!!


 それはなんと哲夫が投げつけた豪炎の壺だった。


 豪炎の壺は両手剣の騎士に当たると激しく燃え始めた。


「うわぁああ、燃える! く、くそう!」


 両手剣の騎士はダメージを受けながらも、そのままおばあさんに斬りつけてきた。


 ブゥー……ン


 ガンッ!


 なんとそこへ赤い魔法陣が現れて両手剣の攻撃を防いだ。


「洋子殿、ただいま戻りました」


「あら猫ちゃん! たすかったわ!」


 ヒュッ……、ドドドッ!


 そしてナミの矢が両手剣の騎士に突き刺さった。


「あ、ナミさん!」


「ただぃま」


 するとその隙を逃さずに、おばあさんは大呪文を詠唱した。


「凍てつく氷の女神たちよ、我に冷血なる力を与えたまえ。凍る六花の結晶をもって嘆願する。あの者に絶対零度の裁きを!」


 キィー……ン


 ドガガガガガガ!


 そして、トドメにマユが走り込んで斬りつけた。


 ズバッ ズバッ ズバッ!


「く、くそう!」


 騎士は消滅していった。


 ゴン!


「わっ!」


 その瞬間、突然マユがハンマーで吹き飛ばされた。


 マユは大きくHPを減らして驚くと、さっき逃げたハンマーの騎士が襲いかかってきていた。


「てめぇ! 調子に乗りやがって!!」


 ハンマーの騎士はハンマーを大きく振りかぶった。


「わぁっ!」


 マユはしゃがんで必死に大きな盾に隠れると、後ろから優しい声が聞こえた。


「ごめんなさい、飛び越えますね」


「え?」


 マユが振り返ると、笑顔で走り込んでくるゆぅがいた。


 ゆぅはマユを飛び越えると、そのまま斜めに回転して、ハンマーの騎士の肩を斬りつけた。


 ズバッ!


「ぐわぁああ!」


 そして着地すると左手の盾で腹を殴り、今度は下から回転しながら胸を斬り上げた。


 ズドッ! スパン!


「こいつ強い!!」


 怯んだハンマーの騎士は恐れをなして逃げ出したが、そこへミツが投げた槍が飛んで行った。


 ドス!


「ぐわぁ!」


 槍はハンマーの騎士の背中に命中し、そのまま消滅していった。


 ゆぅは走って槍を拾うと、前線で戦っているミツに槍を投げ返した。


 バシッ


 ミツは回転しながら槍を受け取ると、また鬼神(きしん)のごとく槍を振り続けた。


 ゆぅはマユのところに来ると、小さい声で言った。


「ぁ……、だいじょうぶ……、ですか」


「すごい! カッコ良かったです!」


「ぁ……、ぃや」


 ゆぅは慌ててマユに全回復薬を送ると、恥ずかしそうな表情を浮かべて前線へ走っていった。


 マユは(もら)った全回復薬を飲みながら、走っていくゆぅの背中を見つめた。



 その頃、メイはロビと一緒に防御魔法を展開しながら前線を守っていた。


 ロビはメイの善戦ぶりに笑顔で言った。


「メイさん! 素晴らしいタイミングです。そのままサポートお願いします!」


「はい! ちょっとヤバいけど。はは」


 するとその瞬間、ロビとメイの頭上に巨大な雷の塊が現れた。


 それを見たロビがメイに言った。


「メイさん、巨大な雷の魔法です! 上を防ぎましょう!」


「はい!」


 ロビとメイは空に向かって二重の防御魔法を展開した。


「よっしゃ、作戦通りだ! もらった!!」


 なんと、防御魔法を展開するメイに、横から敵の槍の騎士が突っ込んできた。


「やば!!」


 ドスッ! ドガッ!


「え!?」


 メイが驚いていると、ミツが突っ込んできた騎士を槍で一突きし、蹴りで吹き飛ばした。


 そして、ミツは雷の魔法に巻き込まれないようにメイたちが作った魔法陣の下に飛び込んできた。


 ズザァァ 


 ガガガーーーン!


 ミツに吹き飛ばされた騎士は雷の魔法に巻き込まれて吹き飛び、消滅していった。


 メイたちは二重の魔法陣のお陰で雷の魔法を防ぐことができた。


 メイは杖を構え直すとミツにお礼を言った。


「あ、ありがとうございます!」


「ぃえ……、ぼくも、たすかった……から」


 ミツはそう言うと、また前線に向かって走っていった。


 おばあさんたちの分隊はそのままの勢いを保ったまま前進すると、なんと背後から敵が1人でやって来た。


 最後列で戦っていた和代は1人でやって来た敵に気づき、軍神零式のターゲットを解除して呼び戻した。


 背後から来た敵は近づいてきながら和代に言った。


「おれは、やられた防衛隊長を引き継いだジロだ。背後を狙うのは汚ねぇが、初防衛戦で負けるわけには行かねぇんだ」


 ジロはそう言うと、軍神零式の上位機種「軍神・紫電(しでん)」を召喚した。


「グゴゴゴゴ!」


 そして、和代の零式を指差して言った。


「まずは、そのポンコツを叩きのめす! お前のとはグレードが違うんだよ! やれ!」


「ォォオオオオ!」


 ジロの紫電は和代の零式に襲いかかった。


 ジロの紫電が戦斧(いくさおの)を大きく振りかぶりと、和代の零式は大きく後へ下がった。


 ブンッ!


 紫電は戦斧を空振りし、そのまま零式と対峙した。


 それを見ていた和代は零式に言った。


「軍神さん頑張って! でも敵の攻撃は逃げてね! あなたは大切なんだから! 倒されたら困るの!」


「……ッガッ!」


 和代の零式は一瞬振り向いて返事をした。


 すると和代の軍神零式は敵の攻撃を次々と避け始めた。


 ブン、 スッ。 ブンブン、 ススッ。


 それを見たジロは大弓を装備すると、和代に照準を合わせた。


 和代はジロの大弓に気づいたが、すでにジロは弓を引き絞っていた。


「悪いがオレは召喚魔道士でな。武器が装備できんだよ。じゃぁな。死ね」


 ジロは大弓を放つと、大きな矢は一直線に和代に飛んでいった。


 ヒュッ


 ガン!


 しかしジロが放った矢は、なんと和代の零式が叩き落とした。


「え!? 攻撃しかできない零式が矢を!」


 ヒュウウ


 その時、和代を助けに走ってきた哲夫が豪炎の壺をジロに投げつけた。


 ジロは豪炎の壺に気がつくと、大弓を構えて矢を放ち、壺を空中で射抜いた。


 パンッ!


 しかしその瞬間、前線から走ってきた美咲が飛び出し、素早くジロを突き刺した。


 ドスッ!


「なっ!」


 ジロが一瞬わけが分からず前を見ると、レイピアを突き刺している美咲が居た。


「え……、お、おれを……、刺した?」


 すると美咲がレイピアを抜きながらジロに言った。


「え? あなた刺されたの分からないの? 笑う」


「お、おれは防衛隊長だ! ナメるなよ!」


 ジロは大弓を引こうとしたが、それよりも早く美咲の連撃が決まった。


 ドスッ! ドスッ!


「くそ、こいつ速い! ちっ!」


 ジロは(あせ)って全速力で逃げ出すと、紫電も攻撃をしながら一緒に後退していった。

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