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旅人も泊まれる宿が見つかった。

アイアランド組の顔も立てたお陰で襲撃の心配はない。軽い食事を済ませてから部屋の鍵を預かる。

部屋は2階だ。素早く階段を登る。


鍵を閉め荷物とガンベルトを降ろして一息つく。

装備一式の確認と整備を終えて横になる。

暫くするとドアがノックされた。


慌てずにパイソンを抜き身で背中に隠す。

いつでも抜けるようにしてある。

「誰だ?」

「宿の者です‥」


声からして若い女だ。

大体の見当はつくが少し探りを入れる。

「用は何だ?こっちは頼んで無いが」


「旅人さんの慰労に参りました‥」


つまりは娼婦だ。

専門職としてヤクザの稼ぎにもなる高級娼婦や貧困による身売りなど様々だ。部屋を訪ねるのは飯盛女と呼ばれるような給仕や掃除などで稼いでいる層が大半だ。


懐は確かに温かい。性欲もある。

とりあえず敵では無さそうだ。

ドアをゆっくり開ける。


「お初にお目に掛かります。マリと申します」

若く平凡な女がいた。部屋へ招き入れる。


「幾らだ?」

恋愛では無いので先に値段を聞いておく。


「50デルです」

高くも無い程度の金額だ。悪くない。

先に金を支払う。


それからはお互いに無言で服を脱ぐ。

スルスルと布がはだける音が部屋に僅かに響く。

この時異変に気づいたが黙っておく。


それからは何の変哲も無い男女の営みだ。

高級娼婦では無い為それなりだ。

見た目は良いので満足した。


事が終わり着替えをしている時に金属音がした。

パチッ‥

背中からベットへと移し替えたパイソンを素早く構える。マリは銃を抜き出す前に硬直した。


「金も払った‥お互い恨み辛みは無いはずだが?」


「私は壺振り女に父と兄を殺されたのよ!」


「そうやって鴨から金を巻き上げてきたのか?」


「男は満足した後は隙があるのよ!大人しく金を出すか、あの世へ逝ったかのどちらかよ!」


なんだか無茶苦茶だ。

ただ馬鹿を演じているようには見えない。

何か裏がありそうだ。


「どの道勝ち目はない。正直に話せよ‥」


マリの兄はアイアランド組員だったが、ある時掟を破って殺された。父は単身殴り込んだがボコボコにされた。情けで助命しようとジルが持ちかけたが無駄だった。暴れた挙句射殺された。


「兄は掟なんか破らない人だった。ハメられたのよ!だから時間を掛けて復讐を狙ってるの!」


正直納得出来ない。

いかなる理由にせよヤクザに身を預けた本人の責任だ。親父に関しても助命を蹴ったのは馬鹿だ。

貯めた金で何処か遠くへ逃げるかした方が本人の為になりそうだ。


「金は払ったしお前にはどうしようも無い。帰れ」


「そうは行かないわ!」

マリは手を数回大きく叩いた。

その瞬間部屋のドアが蹴破られた。


マリをベットから床に突き飛ばしてパイソンを連射する!

バーン!バーン!バーン!

開いたドアの向こう側で2人の男が絶命した。

手にはパイソンやショットガンが握られていた。


「身売りしてまで貯めた金をこんな連中につぎ込んだのか?‥呆れた女だ。復讐なんかやめて静かに暮らせ!」


「絶対に諦めない!早く殺せば?」


せっかく宿でゆっくり出来ると思ってからコレだ。

さっさと帰って欲しいのに何故か銃を突き付けられたまま居座る。


「刺客は送るわ、金はせびるわ‥何が望みだ?」


「あんたには手下を殺した責任がある。手を貸して壺振り女を殺して欲しい!」


全く図々しくて嫌な女だ。

自分の言っている事が分かっているのか?

それにアイアランド組を敵に回して良い事は無い。


「同情するだけの何かを示せるのか?」


「兄は壺振り女の婚約者だった‥」


さらに詳しく話を聞いてみる。

マリの兄はベーガスの縄張りで腕を奮っていた。

ジルから気に入られた後に婚約したという。

しかし町人との協調性を重んじる性格で、みかじめ料について口論するようになって行った。

さらに目障りなのがマリの父だったという。

立地条件の良い土地を所有しており、賭場を開きたかったみたいだ。


ヤクザにも掟や世間体という物が存在する。

それが足枷になっていた。

適当な理由をつけて兄を亡き者にし、親父も殺せば一石二鳥というわけだ。

親父が暴れたり助命をしたりという下りは作り話かも知れない。


他人事に巻き込まれている現状にイライラしてきた。


「そこまで言うなら渡世の義理だ‥しかし報酬は期待出来ないな‥イラつくな‥」


マリも察したのか大人しくなった。

それからは黙って朝まで貪り合った。

コンプラやら矛盾やら色々ありますが、後悔はしていません(^◇^;)

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