ボス
スラムの抵抗勢力の殆どに機関銃が行き渡っている可能性は高い。そんなのをいちいち相手にしていたらキリが無い。
目的は捕虜の捜索と資金集めだ。
ここでリックスが調子に乗った。
「なぁチョイとコイツを試したい」
「勝手にしろよ」
とはいえ少し興味があった。新型の機関銃と弾倉を死体から奪い取る。眼帯男からは謝礼金を貰って賭場を出た。捕虜を探すもよし、逃げるもよし。
適当に試し撃ちをした。
「俺は勘だけは良いんだ。きっと捕虜はあそこだ」
というと処理し切れていないゴミ捨て場の近くを指差した。
「ご名答!!」
何者かがゴミ山の上から機関銃を構えている。
「政府の連中はゴミ同然だろう?」
他にも武装した者が大勢いるらしい。
「あんたがボスか?」
こうなれば敬語など要らない。
タメ口で話す。
「そうさ君たちを歓迎するよ」
「何故だ?兵隊を取り返しに来たかもしれないだろう?」
「渡世人は案外、利害関係を大事にすると分かっているんでね」
「しかし頭良いみたいだな?地下まで掘り始めて半ば内乱じゃないか」
「嬉しいね〜」
そう言うと奴は降りてきた。
「スラムを率いているパイクだ!宜しくお2人さん」
若い革命のリーダーか、はたまた向こう水か‥
「ケンだ」
「リックスだ」
案内されたのはバラックより幾らか出来の良い家だ。
スラムにしては掃除が行き届いている。
缶詰を大量に振舞われた。パイクなりの歓迎だろう。
「物は相談さ、交渉は3人でするかい?」
「あぁ」
「依存は無い」
こちらとしては兵隊を生きたまま回収する。
むこうは切り札として使いたい。
やはり対立してしまうな‥
「要は砲撃やら大討伐を防げれば良いんだろう?」
「出来れば闘いもしたくないしね」
「こっちも後には引けんよ、ここまで血を流したんだからなぁ」
色々考えてみる。
「捕虜から軍部のスキャンダルは聞いてないのか?結構使えるかも知れないぞ」
「この前の討伐の大将は軍事予算を横領しているみたいだね」
「普通だな。ならこうしないか?」
交渉内容はこうだ。
捕虜とスラム地域一部をダーラスに返還する。
引き換えに大討伐と砲撃の永久中止。
軍隊がこれを破棄した場合は地下から繋がる都市部への侵略と軍部不正の告発を同時に実行する。
捕虜交換手続きは大将自ら出向く事。
「伝えるがどうなっても知らんぞ?」
「あぁ構わない」
こうして書面だけ持ってスラムを脱出した。




