闇働きと賭博師
いつものように掲示板を適当に眺める。
ダーラスに特別用事がある訳では無いが蓄えは欲しい。きな臭い募集を見かけた。
「ようまた会ったな」
まぁ居場所が限られた者同志仕方がない。
リックスも怪しい募集を見つめている。
闇働きだ。内容はスラム潜入調査だ。
分かりきっているが軍隊が藁にも縋っているのだろう。ダーラスの役人には時間稼ぎの出鱈目を出してその間に俺たち渡世人に何とかしてもらいたい魂胆だ。
軍の評価や予算的な事も絡んでこうして非合法の募集をかけている。周りにバレバレだが相当切羽詰まっているみたいだ。
「立会で銃の腕前はケンが上だ。俺の本業は博打打ちでね」
ストレートに話すリックスは続ける。
「本当に金を払うかは怪しいし渡世人は殺されてもおかしくない。俺と組まないか?」
話としては軍隊から潜入調査の前金を貰う。
それから2人してスラムの賭場に行く。
撃ち合いは俺、博打はリックスがメインだ。
たらふく儲けて脱出する。
潜入調査が失敗したり、金払いが無くても博打で補う算段だ。
そう甘い人生ではないが何となく行けそうな気がする。修羅場を乗り越えると死に対する恐れが減ってくる。ヤクザとも違い仁義より腕っぷしが優先のスラム街なら立ち回れそうだ。
「どうせ明日は無い‥裏切れば眉間を弾く‥」
「安心しなよ。あんたは他より使えそうだ」
こうして一時的に俺たちは手を組んだ。
宿に戻って入念な準備をする。
身支度を整えて銃を整備する。
自動拳銃や機関銃相手にどれだけ通用するかは分からないが俺は使い慣れたパイソンを信じる。
マグナムを装填してスラムに向かう。
道中でリックスのガンベルトを見る。
「新しい物が好きでね」
先日の自動拳銃と予備弾倉、それに専用ガンベルトを装備している。
「俺はこれで良い‥」
ピストル同志なら練度が物を言うが機関銃は厳しい‥
そうこうしながら目的地に着いた。
組織のやらかしたミスを下請けになすりつけるのは割とどの世界にもあると考えています。
軍隊は一般的に自己生存主義ですが私欲まみれの世界はどうなるか分からないと思います。




