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風の噂ではベーガスを縄張りとするアイアランド組は数々の不正とジルの死亡により壊滅。

隣街のヤクザが徐々に勢力を拡大しているみたいだ。

俺は牧師に証拠の品を渡しただけだ‥


“レッドサン”

ここの地名だ。

ベーガスより暫く歩いて2つの街を超えた。

都市部に近づくに連れて“町”から“街”に変わる。

ここは農業が発達しており地名の由来となっている。

砂漠地帯では植物や野菜は水の次に貴重だ。

ジャガイモや麦は割と採れるが、瑞々しいものはあまり無い。


ここは山に近く標高のやや高い場所にある。

かなり古い時代から質の良いトマトが採れるみたいだ。赤く瑞々しいそれは貧しかった土地の人々を救ったのだ。水が少ない方がより甘く質が良くなるというのだから不思議なものだ。


「おい噂を聞いたか?」

「例の悪党だな?」


俺はレッドサンの酒場で軽食をとっている。

珍しく入店を許可された。

おそらくトマトの輸送販売等で人の出入りが激しいからだろう。噂話に耳を傾ける。


「頭にバンダナを巻いた男が銃剣を付けた銃で農家を襲ってるみたいだぜ?」


「はぁ?なんだそりゃ?」


噂話をまとめてみる。

バンダナ男はトマト農家に関わりのある場所に夜間現れるという。ボルトアクションライフルに銃剣を付けて襲いかかるという。農民を射殺、刺殺したりする。トマトに恨みがあるのか、銃剣で突き刺したりする光景が目撃されている。ハッキリ言って気狂いだ。


ふざけている用に聞こえるが、なんと賞金までかかった立派な悪党だという。定かでは無いが凶状持ちの噂もある。


それから街の宿に泊まる。

この土地の珍しいところは保安官がいるにも関わらず、旅人を逮捕したりしないところだ。

当然ヤクザの支配は無い為、野宿かと思っていたがすんなり泊めてもらえた。


宿の亭主に話を聞いてみる。

「実はな‥トマトを広めたのが旅人だったんだよ」


遥か昔‥マスケット銃の時代。

まだトマトが食べられると知られていなかった時に旅人が喉の乾きを潤すために齧ったのが始まりらしい。

それを見た農民は驚いたが、旅人の間では生きる知恵として受け継がれていたみたいだ。


この土地がトマトに適していた事も相まってこぞって栽培し始めたらしい。旅人が差別されないのはこの為だ。リドラ大陸は広いが初耳だった。


「それよりお前さん悪党に気をつけな?どこから来たのかもわからねーが用心する事だ」


「なぜ旅人の俺が?」


「農家だけじゃ無い。商人や旅人も殺されてる」


「見境なしか?」


「いや、どうやらガンベルトを持つ相手を襲うらしい」


とんでもない男がいるもんだ。

その日は噂を聞くだけで何も無かった。

保安官も手を焼いているらしい。

嫌な予感がする‥

いつもよりテイストを変えてみました。

バンダナ男は映画化もされている日本の事件を元にしています。もしかしたら分かるかも?

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