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潜入

飯盛女のマリから強引に巻き込まれてしまった。

事情を聞いた上でとことん抱いてやった。

所詮は旅人、明日は無い。

朝になり身支度を2人でする。


「お前の親父から奪われた土地はどうなっている?」


「賭場になっているわ。壺振り女が目を掛けてるランダって男が取り仕切ってるわ」


「まずは証拠集めだ」


俺たちはカップルを装って賭場近くの茂みに隠れている。元はマリの義父の畑があった為にちらほらと野菜や小麦が点在している。


「先ずは賭場に出入りして様子を伺う。なんならランダに顔見せするのも悪く無いな。金が必要だ」


女に対して言うことではないが稼いでくれと促す。

しかも身体でだ。お互いに目的がハッキリしていなければ出来ない事だ。

賭場に通うにしてもかなりの資金が必要だ。

兎に角早めに何かを掴みたい。


「シール領ノイツ村のケン•シャイダーと申します。ジル親分さんにお世話になりました。本日は此方の賭場で遊ばせて頂きます」


「丁寧なご挨拶ありがとうございます。手前、賭場を預かるランダと申します。ごゆるりと」


歳は30代後半くらいか、割と優しそうな目の男だ。

コイツの信用を得るには時間がかかりそうだ。

一通り遊んだ後に宿へ帰ろうとした時だった。


「客人!!すまないが帰ってくれ!襲撃だ」


ランダの手下が賭場で声を張り上げる。

町人•商人や同業者はバタバタとしている。

これはまたとないチャンスだ!


「渡世の義理です。助太刀いたしましょう‥」

普段ならリスク回避の為にこの様な事はしない。


「かたじけない!」


緊急の為にガンベルトを返してもらい、パイソンを抜く。ランダ含めた手下5,6人も銃を手にしている。


ズバーン!!ズバーン!!

遠くからショットガンの銃声が聞こえる。

馬の蹄の音も近付いて来た。


恐らく1人か2人だ。

襲撃を予測出来たのは前々から兆候があったのでは無いかと思う。旅人の作法に乗っ取り先陣を切る。


賭場の面玄関に仁王立ちする。

馬は2頭見える。

1人はショットガン。もう1人はパイソンだ。


ズバーン!!バーン!バーン!

賭場目掛けて乱射している。

「イカサマ野郎が!ランダ!出てこい!!」

「土下座も忘れんなよ!」


2人して文句を垂れている。

何の恨みも無いが許せ‥


パイソンを両手で構えてハンマーを起こす。

カチッ、バーン!

カチッ、バーン!


シングルアクションで正確に胸を撃ち抜いた。

マグナムの威力に2人は仰け反り落馬した。

ヒヒーン!!と馬のいななきだけが響く。


「おお〜!やるな旅人!」

「これで客も戻るぜ!」

手下たちの反応は良好だ。


後ろからランダが近づいてくる。

「見事な腕前だ。助太刀感謝する!」


「渡世の義理です。お構いなく。宿へ戻ります」


「明日はケン殿を是非もてなしたい。よろしいかな?」


「有り難く頂戴します‥」


それから宿に戻りマリに報告した。

「証拠はまだ掴めないが信用は得た。明日も向かう」


「ご苦労ね。私は客を取りつつ情報を集めてみるわ」


それからは銃を磨いて眠りについた。


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