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シークレットライト  作者: 中桃
〔1〕魔術魔法専門学校への道
1/3

1.魔術の不得意な少女

 アシュレット大陸の中にあるタイメート王国。その南部にある森で、1人の少女が1人の男と一緒に魔術の特訓をしていた。少女は額に汗を浮かべながら詠唱をしている。

 その少女が詠唱を終えると少女の周りに、輝きがホワッっと灯った。

 本来ならばその輝きが術師の指定した場所に集い、水球になるはずだった。しかし、その輝きは少女の周りに灯っているだけだ。


「うひぇっ…!」


 少女___ユーサ・ハシューラは声を上げた。出来るはずだった水球は輝きのまま保っている。まだ隙だらけの魔術のせいで、コントロールが出来ていないのだ。輝きはユーサの魔力。ユーサはまだ未熟な魔術師だった。

 ユーサは肩を下げため息をついた。また失敗だ。すると魔力の輝きはすうっと薄まっていき、消えた。

 ユーサのため息と魔力が消えたのを確認した側にいる1人の男が、肩をぴくりとさせた。

 その男___顧問のレイット・クリストンは、目を細め、ため息をつく。


「はぁ、見苦しい。早く制御できるようにしなさい」


「だっだってぇ…イットせんせぇ…」 


 今ユーサが操っているのは水属性の者が扱う初級魔術だ。

 ユーサは魔術を学び出して、約2年半。 同じ頃に学び出した同級生はもう水球から槍の形状に変化し、それを飛ばせる状態だ。

 それなのに、まだユーサは水球を発生することもままならない。

 ユーサはまだ魔力のコントロールの仕方も曖昧な状態なのだ。魔術を学び出して6ヶ月の者の方がコントロールも上手いだろう。

 レイットは1つため息をついて詠唱をする。レイットが詠唱を終えると、周りに魔力の輝きが灯り、魔力がレイットの掌の上に集う。水球が生み出された。


「私の手本を見なさい、まず感知の魔術を発動すること」


「はっはい」


 そう言ってユーサは慌てて詠唱をした。

 感知の魔術は、一定時間指定した物の魔力を確かめる魔術だ。魔力で物体を物質を作るのとは、別物だ。どのような密度か、魔力がどれくらい配合されているかなどが分かる。

 魔力を通して、対象の魔力を含んでいる物の魔力を分析する。

 ユーサが詠唱を終える。瞬く間に水球に何粒のも輝きの粒が灯った。

 __否それを見えているのは、ユーサだけだ。

 ユーサが感知の魔術を使ってレイットが操っている水球を見た。


「あっ、水球の魔力が一定の割合で分布している」


「そう、魔力が一定の割合になっているので、水球が弾けることもない。さらにこのような割合にすると、水球も発生しやすい」


 魔力がバラバラの比率だと水球は弾け飛ぶし、水球も作りにくいんだ。とユーサは考えた…と思っているが復唱しただけである。


「お前の水球は水球になってなく、魔力がバラバラでしょう。それでは水球を生み出すために必要なものは?」


「うぇっ!と…水属性魔術に対する理解力?」


 ユーサが合っていなさそうにしてぼやぼやっと言った。レイットは笑顔でこう言った。


「私が先週した授業の内容をもう忘れているのですか?魔力操作ですよ」


「うへえ…だっだってぇ…」


 ユーサがしゅんと落ち込む。ユーサは座学も苦手だ。

すると、森の入り口からガサっという音がした。

 レイットとユーサが顔を見合わせて森の奥の方を見る。


「ユーサ、調子はどう?」


「お母さん!」


 奥から出てきたのはユーサの母。

 ユーサは嬉しそうに駆け寄った。勿論、レイットが舌打ちをしたことは聞こえていない。

 ユーサはこれまでの一連を話した。しかし、主にレイットの愚痴である。


「ふふっレイットさん、ユーサのことよろしくお願いします。ああそれと、昼食は一時からです」


「ええ、分かりました。それとユーサのことですが…」


「お母さーん!なんとか言ってよぉー!」


 ユーサはレイットの話をさえぎって、レイットはニッコリと笑いユーサを見た。ユーサはぷーっと頬を膨らませながらこう言った。


「みんなしてやめて〜!!」


 頬を膨らませながら言い訳をしているユーサ。この時12歳であった。


世界観についてお話ししておきます

時代は私たちが生きている時代です。スマホあります。

強いて言うならば、

・地球に似た世界観

・文化などは西洋に似せている

・古っぽいけれどそう言うものとして受け止めてほしい。(願望)

・技術は現代と同じ


なお、歴史に基づいで(少しだけ)制作しておりますが、綻びはあります。実際の地名などは使用しておりません。

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