第15話 プール②
文人は今楽しそうにウォータースライダーを滑って来ている可憐達を、一人寂しく見ている。
「「キャーーー!!」」
(……俺も乗りたかったな)
と思いながら見ていたら可憐達が滑り終わった。
「お兄ちゃーん!」
可憐が笑顔で駆け寄って来た。
「ちょっ可憐!プールサイドで走るな!」
「ごめんって!」
「それより、楽しかったか?」
「うん!楽しかったよ!」
「そうか」
(俺も滑りたかった!)
すると可憐の後ろからノソノソとちょっと顔色が悪くなった御山さんが歩いて来た。
「御山さん!大丈夫?顔色悪いけど……」
「……大丈夫ですけど、少し酔いました」
「ちょっとそこのイスに座って休憩しようか」
「はい……ありがとうございます…」
御山さんは近くにあったイスを借りて休憩している。
「ごめんね才ちゃん、私に付き合って滑ったから……」
(珍しく可憐が落ち込んでるな)
「少し酔っただけですから、安心して憐ちゃん」
(まだ御山さん酔ってる気がする)
「御山さん、ちょっと飲み物を貰ってくるね」
「ありがとうございます、助かります」
文人はそう言って少し離れた所にある自動販売機まで行く。
(行ってる間に可憐も御山さんも元通りになってればいいんだけどな)
そう思っていたら自動販売機に着いた。
(何がいいんだろうか、スポーツドリンク?いや普通にお茶?、……やっぱり水の方がいいか)
そして水を買って戻ってくると、二人は二人の男達に絡まれていた、恐らくナンパだろう。
「お嬢さん達可愛いね、今から俺達と少し遊ばない?」
「「結構です」」
「つれないなぁ〜、ほんの少しだけでいいからさ〜俺達と遊ぼ、ね!」
「「結構です!」」
(うわーしつこいのが絡んでる!離れない方が良かったかなー、御山さんは美人だし、可憐も客観的に見たら可愛いからな、いや!そんな事より!何とかしないと!)
そしてふと御山さんがショッピングモールで男に絡まれている事を思い出す。
(あの時みたいに上手くいくかな……まあ、助けないと男除けとして呼ばれた意味もないからな)
そう思い文人は可憐達の方を向いて歩く。
「あのー、俺の連れに何かようですか」
すると男達は振り向いて急に態度を変えた。
「チッ!男連れかよ!」
「男連れならそう顔に書いとけよ!」
と捨て台詞を言って去っていった。
(物分かりのいい方でよかったー!)
そして文人は可憐達の方を向いた。
「まさか行ってる間にナンパされるとは思わなかったぞ」
「そうだね、少しだけ見直したよお兄ちゃん」
「少しだけかよ!」
「だっていつも自分の事『僕』って言ってるのにさっきは『俺』って言ってたからさー、少し変な感じがした」
「しょうがないだろ!あの方が少しは威嚇できると思ったんだから!それより御山さんは大丈夫?」
「それよりとは!何事かー!」
(無視無視)
文人は御山さんの方を向いて、自分の側でうるさく絡んでくる可憐の事は一旦無視する。
「はい、大丈夫です……また助けてもらいましたね」
とニコッと笑った顔は相変わらず素敵だった。
「御山さんが困ってたら助けるよ、僕にできる事なら」
「ねえねえ!私は!」
(無視無視)
「あっ!それより、はい!水買って来たから」
「ありがとうございます、文人さん」
そう言って御山さんは水を受け取り飲んだ。
(何でこんなに、水を飲んでいるだけで様になるんだろう)
「もう気持ち悪くなくなりました、遊びましょう!」
「才ちゃんが元気になったから、お兄ちゃんも一緒にプールで遊ぼう!」
(やっとプールで遊べる!)
それから文人達は一、二時間ぐらいプール遊んだ。
「もうこんなに遊んだし!二人とも帰ろうか!」
「そうだねお兄ちゃん、少し疲れて来たし」
「今日はとても楽しかったです!また来年、三人で来ましょう!」
「そうだね、御山さん」
(来年の御山さんの水着姿が楽しみだ!)
「才ちゃん気をつけなよ、お兄ちゃん邪なこと考えてるから」
「考えてない!」
(……いや、考えてない事もないのか?)
「フフッ、やっぱり二人と遊んでいると楽しいです」
そしてプール施設を出て三人は帰って行った。
面白いと思ってくださった方はぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!していただいたら私のモチベーションも上がります。
誤字脱字などがあれば報告していただけると幸いです。




