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魔族側の作戦

魔族側の作戦


魔族側はかなり前から用意はしていた、そう用意はしたのだ、だが相手を探るのはかなり雑だった。

元々識字率も命令系統も甘い魔族の軍、力で押し込む戦闘方法が、訓練もせず細かい作戦を有した戦闘方法に変わるわけは無い、今回も魔獣を先頭に力押しで勝ちを取りに行く戦法だった。

事実魔王は1年の準備期間を取り、食料調達・徴兵・訓練などに時間をかけて準備するつもりだったのだ、負けると分かってはいてもそうすることで時間を掛ければ、周りを徐々に説得できるのではと思っていた。

それを約3か月で見切り発車的な戦争開始では作戦も何もあったものじゃない。

しかも半分の魔族は吸血族だという、吸血族が参戦すれば怖いものなどない、彼らは不死なのだから。

意気揚々と進軍すれば良いと、魔族たちは言われるがままに進軍してきた。

だが、そこに王族の人質や宰相まで捕虜にされれば話は違ってくる、魔族たちの士気にもかかわる。


将軍の天幕では今2人の魔族側の指揮者が話し合っていた。


「ヴェノム公爵、これでは攻め入るとすぐに宰相もやられてしまう」

「おぬし今になって怖気づいたのか?」

「ここまで来て戦いを止めたところでお家の取り潰しも将軍の座もこの戦いに賭けてしまっているのだぞ」

「……」

「まあ良いおぬしが出ないならば先に私が行く、うまくいけば手柄は我が物だ」


「おおここにいたか?」


2人の話に割って入ったのはマーシャだった、隠匿の魔法やハイディング、さらに転移魔法を使い魔将軍たちの天幕を見つけ奴隷従者4人を連れて現われた。


「だれだ!」ガガリン

「わが名はマーシャオースティンアルフレア、アルフレア王国第3王女じゃ」

「姫付き奴隷従者フロウラゾーヴィル」

「同じくジルチュラキュア」

「元コーバス軍特殊暗殺部隊隊長カユーラ・ビラット、今は奴隷ですけどね」

「魔王国宰相カイゼエル・コーバスじゃ、もう首じゃがな」

「!」

「何故貴様がここにいる」

「わらわが連れてきた」


「それでやはり戦争をするのか?」

「おまえに話すことなど無い!」

「いいのか?魔王も戦争には反対じゃぞ!」

「そんな事はない!」

「いやすでに王妃も人族の手に落ちておる、もう終わりじゃ」宰相

「嘘をつくな!」ヴェノム

「叔父様、それに将軍様本当の事でございます」ジル

「おまえはチュラ家の・・」

「全員わらわの下僕にした、これから攻めたところで手柄は無いぞ」

(こうなったら今すぐ魔王の居城へ行き魔王を殺すまで)

「あ~それも無駄じゃ」


ハンクル・ヴェノム・ジョーバリンはそれなら魔王を殺し自分が魔王になろうと考えたがマーシャの鑑定眼で考えを読まれた。


「き きさま・・」

「この機に乗じて魔王を倒し自分が魔王になるという考えは無くも無いが、それは魔王に対し人質を取るか、かなり弱くしておかなければおぬしには無理じゃ」


「それにわらわは魔王直属軍を倒してここにきたわけではないぞ、おぬしが魔王に弓を引けば喜ぶのは人族の国じゃ、人族はそれでも良いが、おぬし達にはそれでは何も得る物はないのじゃろう」

「ではどうしろと!」

「おぬしは魔王になりたいのじゃな」

「当然だ、何年も我ら吸血族は竜人族に後塵を期してきたのだ、それをこんなことで諦められるか!」

「おぬし魔王と直接戦ったことは無いのか?」

「わしが戦ったのは三代前の魔王とだけだ!」

「それで?負けたのじゃな」

「不死族といえどあの力には叶わなかった、時間がかかるとどうしてもわれら不死族には不利になる、太陽の光をあびながらの戦闘は難しい」

「あほじゃな!」

「なんだと!」

「おぬし100年以上生きておるのじゃろう、何故戦闘を夜に限定するよう画策しなかった?」

「そんな手があると思うのか?」

「簡単じゃそんなの、不壊の魔法をかけた闘技場、まあ地下に作ればよいそこにおびき出して戦えばよかろう、何も地上で戦わねばならぬわけではなかろう?」

「地下?」

「ダンジョンが10個もあってそう言う使い方はせなんだのか?」

「ぐ!」


「それに魔族は訓練とかしないのか?ダンジョンの魔物を利用しているだけでは己の能力の研鑽は出来ぬぞ」

「元々我々は人族より優れている、そんなもの必要ない!」

「そうか?ではわらわの奴隷となった彼らは何故負けた?」

「そんな事知るか?」

「簡単な事じゃわらわはこの歳になるまで、毎日訓練をしてきた、魔法も剣術も、だがどうじゃ魔族は殆ど訓練などしないと聞く。戦った事も無いのに負けないと何故分かるのじゃ?」

「魔族がいくら優れていても努力を怠れば人族にはいずれ勝てなくなる、それがこういうことじゃ、そうじゃお主もわらわと戦ってみるか?」

「言わせておけば…小娘が、いいだろう相手してやる、その血を一滴残らず吸い尽くしてやろうぞ!」

「そうか、たのしそうじゃ…フフフ」


魔族の将軍がいるテントから数百メートル離れた空き地、ちょうどアルフレア王国軍と魔族軍との真ん中に位置する荒野へマーシャは覚えたての瞬間移動魔法で移動する。

その後を追って魔公爵ハンクルは影移動を使いやって来た。

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