魔族との戦闘
魔族との戦闘
魔王城から帰ってきたのは夜10時を過ぎており、道は真っ暗 だが機工車にはヘッドライトのような夜間走行用の照明も付いており、時速20k程度であれば走ることが可能だった。
道のりは一度ボロウロア町への道を進み途中の分岐で右へ、魔真隊の本体が何十台も通った後なので茂った草の上にはしっかりと車輪の跡が付いていたのが幸いした。
走ること3時間北の砦が見えてくる。
「とまれ!」
「魔真隊第2班ルルド村から増援だ」
「了解した、通れ!」
「まだ本格的な戦闘は始まって無さそうじゃな」
「少しゆさぶってみるかのう」
機工車は砦手前に造成した空き地へと停め、マーシャ率いる学生部隊は第一皇子と将軍に会いに行く。
「マーシャ様」将軍
「妹よ、どうしてここへ?」
「もちろんお兄様に加勢する為ですわ」
「それはありがたいが、今のところ膠着状態だ」
「進軍するまであと1時間と言うところですわね」
「俺もそう見る」
「お兄様少し作戦があるのですが、よろしいでしょうか」
「作戦?」
勿論マーシャの作戦とは向こうの宰相や王族を使った敵の説得だ。
問題なのは向こうの指揮系統と士気、敵に宰相や王族まで人質に取られたら向こうの指揮官はどう出るだろうか。
これで交渉しないなら仕方が無いが、出方しだいで数時間は稼げる。
すでに魔真隊将軍は王都へ援軍の要請を出しており、各領からも千人規模で援軍が到着する予定だ。
すでに近領の自治兵2部隊千人がマーシャ達が来た数分前すでに援軍として到着している。
中央を魔真隊、その右にジンジャー子爵の部隊とトライデン領の騎士隊が合計5百人、さらに辺境防衛隊が3部隊5百人が左に展開。
魔族達と2kの荒野をはさんでにらめっこをしている。
時間が経てば経つほどこちらの人数は増えて行く、だがその前に終わらせる事が出来ればその方が良い。
まずは敵がどうでるか。
戦場から2k離れた魔族へ向かって音声拡張魔法を使い、説得を試みる。
【魔族の将軍よわれはアルフレア王国第一王子カイル・シュバリオール・アルフレアだ、そちらの宰相と王族2名はこちらで預かっている、話し合いがしたい返答はいかに?】




