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しぶとい王妃

しぶとい王妃


殆どの場合夜伽に推薦された魔族の女は宰相が調べて追い返すことが多く、魔王はこの1年で数人の魔族しか相手にしていない。

魔王の血族は前に書いたとおり魔族と竜人の血筋、実は竜人種と他種族は混血が生まれにくい。

その為たくさんの魔族とまぐわい出生率を上げる手はずだが、宰相のお眼鏡にかなわなければ魔王の夜伽は白紙になる。

ちなみにフロウラが夜伽した場合、双方が竜人の血脈を持っているため妊娠の確立は30%と他の魔族の3倍確率が高い、だからフロウラを推したが彼女はユリのため断った。


「こちらです」


扉を開けると身長三メートル以上はありそうな、肌を鱗のような模様で包まれた魔王がどっかりと、椅子に座っていた。


「宰相か、それで今宵の夜伽は決まったのか?」

「済まぬが夜伽に来たわけではないぞ」

「だれだ!」

「わらわはアルフレア王国第三王女マーシャオースティンアルフレアじゃ」

「な・・・そうかとうとうこうなったか・・」

「あまり驚かぬようじゃな」

「すでにそちら側へは親書を出している、それを受けての行動と取るが」

「まあそうじゃなそれもあるが、それだけではない」

「それだけではないと?」

「わらわは戦争の火種を消しに来たのじゃ」

「ふむ、でどうすると?」

「魔王殿は戦争はしないのじゃな?」

「うむ、戦争してもたぶん負ける、これは勘でしかないがな」

「魔王様が先読みのスキルを持っておるとは思わなかったぞ」

「先読みと言うような上位のスキルには程遠いが、魔術により占いは少しかじっておる、それに数人の呪術師による占いでも8割の確立で又50年前の失敗を繰り返すと出ておるのだ、それを判っていて戦うなどとはおろか過ぎる」

「ならば何故それを宰相や王妃それに他の公爵へ伝え、いさめないのだ?」

「あ~それはだな・・・」


そこに王妃が駆け込む、どうやら息子の第三皇子は別室へ控えさせたらしい。


(バタン!)

扉が乱暴に開かれる


「魔王様!」

「王妃か・」

「ん 宰相!あなた無事だったの?」

「無事だぞ、但しわらわの下僕だがな」

「おまえはだれ!」

「わらわはアルフレア王国第三王女マーシャオースティンアルフレア、以後お見知りおきを」

「なぜ人族が?」

「人族の姫よわが王妃に話してもらえぬか、わしから言っても信じぬからな」


やれやれとでも言うかのような態度だが、詳しい事を魔王は知っているわけではない、それに生きている皇子と皇女の事もある。

だがその前に王妃の考えを鑑定眼で探る。


スルベリア・コーパス・ウェザラード

36歳

種族 インキュバス竜魔人 インキュバスと牛獣人と竜人のクウォーター

王妃

女 コーパス公爵家の又従兄弟で伯爵位、息子は第3皇子クロイス・コーパス・ウェザラード 

幻夢術師 召喚魔法 淫夢魔法(中級)付与魔術(中級) 


魔法熟練度 270/300級

剣術     88/100級

小剣術   145/200級

槍術     72/100級

体術    212/300級


HP   3000/3000    ヒットポイント(体力)

MP   4900/5000    ミッションポイント(マジックポイント)

SPD   298/300 スピード(足の速さ)

AGI   187/200 素早さ(敏捷度、魔法詠唱+補正)

AT    178/200 アタック(攻撃力)

MAT   427/500 マジックアタック(魔法攻撃力)

DF    667/700 ディフェンス(防御力)

MDF   821/900 マジックディフェンス(魔法防御力)

FA    223/300 フィンガーアクション(器用さ)

IT    265/300 インテリジェンス(脳力、頭の良さ)


魔法※火9水6土8風7聖2光1闇8無7

※魔王の加護(各パラメータ+100・パッシブバリア中級)

現在の悩み 早くわが子を魔王に 宰相が生きてる? この人族の子は何? 戦争が起こればわが子を ようやく2人片付けた後2人片付けねば・・


「おぬし第2皇子と第1皇女を殺害したな?」

「な 何のことです?」

「そうか嘘をつくか・・・」

「グランデスバインド・大地の縛り」


※(グランデスバインド)地属性魔法、植物の蔦を操作し対象の動きを封じると同時に生気(魔力)を吸い取る。


「魔王様の手前王妃殿に攻撃するわけにいかぬが、身動きは封じさせてもらったぞ、魔法を使われると面倒なのでな」

「こ これは・・・わらわをどうするつもりじゃ!」

「少しおとなしくしてもらう、今から話すことを聞いてそれでも考えを変えぬのならわが下僕にする」

「マーシャとやら、わが王妃を下僕にするのなら私も黙っては置かないが良いのか」

「ふふ そのときは仕方ない相手いたそう、その前にこの者には責任を取ってもらわねばな」


北の砦のことルルドの洞窟そして逃げてきた第1皇子と第2皇女、殺された第2皇子第1皇女。

マーシャが聞いて見てきた事実を洗いざらい魔王と王妃に聞かせた。


「これで悔い改めぬならどちらにしても戦争は起こる、ならば先手を打たせてもらうのが道理じゃ、それに人質として王族2名魔族の兵は40名捕らえておる、戦えばそのものらの命の補償もせぬぞ、魔王よどうする?」

「フロウラ本当か?」

「はい本当でございます、私もマーシャ様の奴隷となりましたので」


そう言うと自らマントの前をはだけさせて胸に刻まれた紋章を見せる。


「・・・苦労をかけたな」

「いいえ死ななかっただけマシだと受け取っております」

「それで王妃殿いかがするのか返答して頂こう?」

「ぐ・・・くたばれ!」王妃

「時よ止まれ!フリージングタイム」

「な・・時間魔法だと?」魔王

「王妃の時間のみ止めさせていただいた、魔王よ王妃はわが奴隷とするが良いか?」

「命の保障はあるのだな?」

「わらわがこうしているのは、殺したくないからじゃ、命を奪えばさらに不幸を呼ぶ」

「それにわらわの奴隷紋は命令に背いても死にはせぬ、まあ悪い事はできなくなるがな」

「少し時間が欲しい、フロウラそれに宰相よ、我に貴公らの考えを貸してもらえぬか?」

「私でよろしければ」フロウラ


目の前に死ぬはずだった奴隷4人がいる、その者達が今どのような状態かそして今後どうなるかをフロウラ達は魔王に話して聞かせ、それでも判らないことはマーシャが補足を入れた。

数分後ここまでの経緯やマーシャの奴隷紋(聖従紋)の効果などを聞き、この場を収めるには言う事を聞くしかないと魔王は悟った。


「そうか、ならば仕方が無い、今回の事はそなたに任せよう、但し嘘偽りあるときは覚悟してもらうがよろしいか」


魔王が納得したと話すと同時に魔王軍の近衛兵が部屋に飛び込んできた。


「魔王様伝令です!ガガリンコーパス将軍それにハンクル・ヴェノム・ジョーバリン公爵軍が人族の国境線で戦闘状態に入りました」

「何だと!進軍して良いとは言っておらぬぞ!」


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