魔王城
魔王城
移動したのは魔王城、魔王が住む居城の最奥にある転移魔法陣は一つの部屋の中にあり、そしてそこには数人の魔族が待ち構えていた。
「ようこそ魔王城夜伽の間へ」
「チャーム&心意掌握!」マーシャ
隷属魔法をたて続けに2発、そうしないと1発目は防御バフによりはじかれる。マーシャの魔法ならば2発あればたいてい相手の防御魔法を無効化できる。
「おぬしらのボスは誰じゃ?」
「はい摩王様にございます」
「われらがこの魔法陣を使い到着した場合の命令は?」
「まずは危険かどうかを判断します、その後宰相様に転移魔法陣を使い本日夜伽に来るものであるかを確認します」
「ではこれから宰相の下へ参るということじゃな?」
「はい」
「ではおぬしの後を付いて行く、宰相に会ってみよう」
「ではこちらへ」
夜伽専用転移魔法陣のある部屋から両開きの扉を開けると、外は長い廊下が見えた。
メイドなのかはわからないが隷属の魔法をかけたのは3名、全員女性の魔族のよう。
その後ろを4人で付いて行く。
1分ほど歩くと又大きな両開きの扉がありその前でメイドは立ち止まる。
「宰相様本日、夜伽のものを連れてまいりました」
「通せ」
扉が両側へ開くとそこには大きな角を生やした男の魔族が一人。
「おおフロウラか気がかわったのか、どれどれ」
4人の間に近づく頃合を見計らってマーシャは隷属系の魔法をトリプルでかける。
「チャーム、心意掌握、記憶操作」
(バリン!)
「なんだ!おまえは!」
「隷属、ダブル!からのシャドーバインド」
「うおっ!」
「くっ体が動かん・・・・」
「おまえが宰相か?」
「誰だおまえは!」
「わらわはアルフレア王国第三王女マーシャオースティンアルフレアじゃ」
「なんだと!どうやってここまで・・」
「フロウラに聞いてきたんじゃ」
「くそっわしをどうするつもりだ!」
「どうするか判るか?」
「わかるかそんなもの!」
「では まずは拷問じゃな」
「えっ!」
「それともわが下僕となるか?」
「ぬかせ!」
「そうか?この状況おぬしこの先どうなるかわからぬか?」
「こ こむすめが!」
マーシャはニッと笑うとそのまま重力魔法を宰相の両腕を挟み込むように叩き込む。
「グラビティプレス」
(バキバキバキッ!)
「ぐあ~~~~~~~」
「どうじゃ?」
「や やめろ~~」
「まだ大丈夫そうじゃな」
「グラビティプレス」
「ぐあ~~~よせやめてくれ~」
「言う事を聞くか?」
「き きく きくから」
「では片腕だけ治してやる」
「ダブルヒール」
※(ダブルヒール)ヒールの2度かけを短縮詠唱にしたもの、ヒールの効果より優れているが上位治癒魔法より劣るため、治せる範囲はそれほど広くない、部分ヒール用。
宰相の片腕が見る見る元通りに戻って行く。
「おぬしの名は」
「カイゼエル・コーバスじゃ」
マーシャはそう聞きながらスキル履歴を使い男の詳しい情報を得る。




