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暗殺失敗は降格

暗殺失敗は降格


フロウラは暗殺部隊の攻撃を受けて、まさか体のどこを見ても傷一つないとは思いもよらなかった。


「まじ?」

「だから安心っていうわけじゃないけどね」


カユーラ・ビラット

27歳

種族 兎人族

女 魔王軍 コーバス軍特殊部隊暗殺班 班長

体術師 魔法中級・アサシン


魔法熟練度 320/400級

剣術     87/100級

小剣術    66/100級

槍術     76/100級

体術    365/400級


HP   3000/3000  ヒットポイント(体力)

MP   2400/3000  ミッションポイント(マジックポイント)

SPD   546/600 スピード(足の速さ)

AGI   433/500 素早さ(敏捷度、魔法詠唱+補正)

AT    222/300 アタック(攻撃力)

MAT   232/300 マジックアタック(魔法攻撃力)

DF    378/400 ディフェンス(防御力)

MDF   321/400 マジックディフェンス(魔法防御力)

FA    121/200 フィンガーアクション(器用さ)

IT    144/200 インテリジェンス(脳力、頭の良さ)


魔法※火4水4土4風7聖1光1闇7無5

現在の悩み 暗殺失敗はまずい あの姫様ってなにもの? どうやって逃げよう


「それで?」

「別に何もしないわよ」

「あなたそれでも軍人?」カユーラ

「ん~~それは私にもわからないかしら・・」フロウラ

「そういうあなたは?」ジル

「私はようやく暗殺班の隊長までこぎつけたのよ、それなのに・・」

「たぶんもう軍には戻れないと思うわ」


「それはどういう意味?」カユーラ

「あの姫、魔王国でダンジョン攻略するみたいよ、たぶん私たち従者にされるわ」フロウラ

「それに私たちは奴隷よ、交渉が始まってうまくいったとして、軍が私たちクラスを交渉材料として認めると思う?」ジル

「それに今回はあんたの失敗のせいで王族2人も増えちゃったし」フロウラ

「あの王族2名をうまく使えれば何とかなりそうだけど・・」カユーラ

「鑑定眼で調べられたらそんな作戦もすぐ回避されちゃうのよね」フロウラ

「八方塞がりとはこのことね」ジル


3人共にため息しか出ないが、この状況先に書いた通り彼女らにとって決して悪いわけではないのだ、軍属としては終わりに近いがマーシャの従者としてならば軍よりよほど良いと言っていい。


「そろそろ上がるか」

「はいマーシャ様」


婦女子が全員風呂から上がると外に数名伸びている男子が。


「おっチャレンジャーが数人でたようじゃな」

「姫様すいません止めたのですが・・・」

「まあそのまま置いておけばよい、もう女子は風呂から上がったから、おぬしたちも入って良いぞ」

「はい、ありがとうございます」


さすがに皇子は覗きをしなかったみたいだが、目の前の光景に少し戸惑っているという風だ。


「皇子様もどうぞ、ああそいつらはおいておけばいいですよ、そのうち目が覚めますから」


男なら、まあお約束の行動ではあるのだが。

初めて見る者はどうしてのびているのか理解できないだろう、お風呂の壁をよじ登ろうとして魔法を使い身体能力を底上げし壁のへりに掴まったところで、電撃が発生したためこうなったわけだが。

火花が散るほどの電撃を食らい、アニメなら黒焦げ状態になるが現実はそこまではいかない、強い電撃を食らうと神経系統がほぼダウンするため脳も体も数分から数時間動かなくなる。

たまに記憶障害が起こる場合もあるが彼らがそうならないよう祈るばかりだ。


午後7時、新しく整備された村ではそこかしこの鍋からいい匂いが漂ってくる。

公会堂として作った建物の前にはテーブルがいくつも並べられており、すでにいくつかお皿が並んでいる。

この数なので基本立食となるが、それでも魔真隊のストレージ持ちが持ってきた食材は結構良いモノばかり。

鍋からはシチューとみられる香りが、テーブルには今日暇なときに狩った野鳥やイノシシが調理され盛られていた。

豚系の料理といえば丸焼きがよく見られたりするがこの世界の豚は子豚でさえ丸焼きは困難だと言っておこう。

だが脂の乗った肉の香りはスパイスの香りと相まって食欲はいつにもまして湧いてくる。

全部の料理ができるまではまだ少し時間があるため、女子全員で盛り付けのお手伝いをすることに。


「そっちのテーブルはこれでいいでしょうか?」

「ありがとうございます、大丈夫です」


酒樽も2つ台座に乗っており、すでに数人の村人が味見をしている。


「これうますぎじゃろ」

「ああ村の飲み屋じゃこんなうまい酒は出んぞ」


樽に入っているのはワイン、それもややお高めのランクで庶民が飲める金額では売っていないものだ。

まあ若者はこれを倍くらいに薄めるので、そこまで気にはならないがふつうの村人には、たまらないうまさだろう。

そうこうしているうちに男子も全員が風呂から出てきたので、総勢100人越えの宴会が始まった。


「姫様今日はどうでした?」

「うぬ 温泉まで行けなかったのは残念だがな」

「そうですか」

「じゃが戦争を終わらせるネタは増えたので、うまくいけばすぐに温泉をもらいに来れるじゃろう」


マーシャはストレージに温泉を詰めて持ち運ぼうと思っていたりする、そうすればいつでも本格的な温泉に入れるという、なんとも夢のような状況が出来上がる。

問題はストレージの中で温泉と真水が混ざらないかどうかというところ。

水を入れて他の物を入れても水にまみれはしなかったので、ストレージ内は個別での収納が可能だというのは検証済み。

但し水の場合できれば小分けしておきたいと思ってもいる、そうすれば分量が分かりやすいからだ。


「皇女様もどうぞ」

「よろしいのですか?」

「はい」

「ではいただきます」

「おいしいです」

「お口に合ってよかった、さあ皆さんもどんどん食べてください」

「マーシャ様、水をここに」

「わかった」


少し大きめのボウルに今日取ってきたルルドの泉から流れる湧き水を注ぐ、ついでに凍らせた氷の塊を数個入れる。

こうしておけばワインを薄めるとき、楽に注ぐことができる。

全員が魔法を使えるとこういう小分けは簡単にできる、ジョッキに水を先に取っておけばあとからワインを注ぐので簡単に薄められるし、器も飲んだ後は簡単にきれいにできる。

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