それぞれの話
それぞれの話
「何でラランカ様が?」
「あなたカリオンのところの?」
「はいどうして族長の娘であるあなたがこんなところに?」
「村に徴兵部隊が来てみんなさらわれてしまいました」
「あ~そうなのね・・でもどうしてここに?」
「あの姫様に助けてもらったんですよ」
「そうなんだ・・、所でうちの男どもは?」
「今回逃げ延びたのは私たちと後は数人だけです、みんなばらばらに逃げたので・・」
「そっか・・・まああいつらなら何とかなるか・・」
「でもあの姫様はどういう?」
「私たちにもわかりません、今まで見て来てもあの方の強さぐらいしか・・」
「暗殺部隊が全滅とか、確かにすごいというか、なのにあの外見」
「あの方が行っていることに嘘はないです、それに色々教えてくれるし」
「そうなんだ・・」
王族の従者と獣人たちは数人が知り合いらしい、一方軍属は・・
「・・・・」
「ようこそチームマーシャへ?」
「なにそれ?私へのあてつけ」
「別にそうじゃないわ、よろしくっていう事よ」
「あなた確か魔法学院で見たわ」
「そう?」
「後輩の中にすごい子がいるって」
「私は特に何もしていないけどね」
「どうしてここへ?」
「あなたと同じよ」
「あのマーシャとかいう姫のせい?」
「そうだけど特にこの立場は悪いとは言えないわ」
「えっ!それはどういう事?」
「だって私たち左遷されたようなものだもの」
「魔石堀りの部隊に所属されてここに来たのよ」ジル
「ああ・・そういう事」
「暗殺部隊も大したことないのね」
「それって喧嘩売ってるの?」
「いいえ自分との差がなくて安心したってとこかしら」
「それで?どうやって逃げるの?」
「う~んそれはたぶん無理じゃない?」
「その胸の紋章、薄く光っているでしょ」
「そうね普通の奴隷紋とは違うようね」
「それ聖属性の上位魔法みたいなのよね・・」フロウラ
「そうなの?」
「しかも肉体に刻まれたわけじゃなく魂に刻まれた紋章なのよ」
「魂?」
「吸血族の胸にも刻むことができるなんて、普通ではありえないわ」ジル
「それってどういうこと?」
「普通不死の種族には奴隷紋を刻もうとしても、死なないという種族の性質が条文に当てはまらないため魔法は霧散するの」
吸血鬼で奴隷は基本いないという事、変身魔法を使いどんな大きさの動物にも変身できるし紋章を刻まれた部分を切り取って再生してしまえば逃げることも可能な肉体を持つ。
「ああ死ねば解放されるというやつね、じゃあなぜ紋章が?」
「それが魂への刻印ってやつみたいなのよね」
「たぶん逃げ出しても居場所はすぐわかるし、もしかしたら悪いことはできなくなっているってこと」
「何度もあの姫様を襲おうとしたけどできないのよ、しかも質問されると抗えない」
「それにあの姫様、鑑定眼のスキルも持っているらしいの」
「それじゃまるでバケモンじゃない!」
「声でかいわよ!」
「そうでなくても肩身が狭いのに・・」
「でもこの紋章のおかげで死ぬことはないみたい」ジル
「聖なる加護のおかげで彼方たちが攻撃してきたとき全然傷つかなかったもの」
ジルはともかくフロウラは羊系獣人(竜人20%)、系列で言えばサキュバスという淫魔の類なのだが一応けがはするし死ぬこともある、寿命だけは魔族のおかげで300年以上生きることができるが。
殺されれば普通に死ぬ、先の戦闘 囮として矢面に立たされた時。
暗殺部隊に三たび攻撃され毒の付いた小剣で腕を突かれたが、まるっきり傷も毒の効果も受けなかったのだ。
まさしく囮として使われたのだ、通常囮というならばケガはするし死ぬこともある、だから覚悟はしていたのだが。




