お ふ ろ
お ふ ろ
たぶん学生達はこの休みを終えて学院に戻れば、これまでの対戦相手では敵う者もいないだろう。
そのぐらいのことはみんな分かっているのだ、この姫様はすごい言葉だけではないと。
「まあ良い、それではこれで訓練を終わろうかのう」
「はい、姫様」
「食事の前に皆で風呂に入るぞ!」
「わ~い」
「男子は後じゃ!」
訓練が終わり午後5時が過ぎようとしていた、まだ早めだが今日は食事が終わった後に敵陣突入というビッグイベントがある。
マーシャとしてはそれほど構えてすることはないと思っているのだが周りはそう思っていない。
女子が全員昨日作った風呂に入り、姦しくもワイワイとおしゃべりしながら体を洗い始める。
「マーシャ様それでどうするんです?」
「なにがじゃ?」
「準備とか用意とかは?」
「普通に行くだけじゃ、特に持っていくものなどないぞ」
「そんなんで大丈夫なのですか?」
「なんとかなるじゃろ」
「私たちの方を見ても何とも言えませんが」ジル
数人が魔族の奴隷を見て何か言いたそうだが。
魔族の二人はマーシャに来いと言われれば断れないだけで、わざわざ敵に塩を送る必要もないと思っている。
ただ自分たちが死んでしまってはたまらないので、そうならないぐらいのアドバイスはするが。
だからと言って向こうで何があるかなど自分達にさえわかるわけもない。
ましてや転移魔法陣は夜這い用だという、そこを利用した経験のあるのはフローラだけ。
自分達には分からないが魔法陣に何か仕掛けがあってもこの姫様ならば各種スキルでなんとかしてしまうのだろうと、そんな風に考えている。
そんなチート持ちと一緒に行くのだ、もう安全面はマーシャに丸投げするしかないと諦めている。
「そういえばロキ姫は何か知っていたりしませんか?」ロジー
「私は転移門のこともお父様のこともまるでわかりません、いまさらながら知らないことが恥ずかしです・・」ロキ
「あ~ロキ様それを言うなら私たちも同じです、ふつうは知らないことの方が多いのですよ」リリアナ
「知らないことはおいおい勉強すればよい、よかったではないかこれから覚えることがたくさんあってな」
(あ~マーシャ様はそう思うんだ・・)ミミー
(たしかにそうだけど)フラン
「それにしても、こんなお風呂初めてです」ロキ
「マーシャ様とリリアナ様が作ったんですよ」クレア
「マーシャ様が作ったのですか?」
「土創成魔法を使えばすぐじゃ、ロキは魔法の勉強は何処までしておる?」
「私はせいぜい3クラスが良いところです」
「普通生活魔法全般というところか・・」
ロキシー・タイロス・ウェザラード
15歳
種族 魔王の第2皇女 箱入り
女
姫 (魔法初級の上)
魔法熟練度 80/100級
剣術 28/30級
小剣術 55/30級
槍術 18/30級
体術 34/50級
HP 1000/1000 ヒットポイント(体力)
MP 1000/1000 ミッションポイント(マジックポイント)
SPD 448/500 スピード(足の速さ)
AGI 98/100 素早さ(敏捷度、魔法詠唱+補正)
AT 65/100 アタック(攻撃力)
MAT 77/100 マジックアタック(魔法攻撃力)
DF 154/200 ディフェンス(防御力)
MDF 143/200 マジックディフェンス(魔法防御力)
FA 88/100 フィンガーアクション(器用さ)
IT 106/200 インテリジェンス(脳力、頭の良さ)
魔法※火3水3土3風3聖1光2闇2無3
現在の悩み お兄様大好き マーシャ様かわい~ これからどうなるの?
「ロキ殿も訓練をした方がよいな・・」
「はいわたくしもしたいのですが・・」
そう言って従者の方を見る。
「魔王様からの命令ですので・・」
「まあ命令だと言われて素直に従うのは本人の勝手じゃが、こういう立場になってみればわかるじゃろう、いかに自分が無力かをな」
「・・・・・」
「従者ならこっそり教えてあげればよいものを、それだけでも暗殺者から身を守れる確率はかなり上がるじゃろうに」
「従者は何も命令を聞くことだけが勤めではないぞ、守るなら100%を目指すのが従者の務めじゃ」
それを聞いてフランが俯く。
「まあ妾の従者はわらわに好き勝手させてくれるから今があるのじゃがな」
今度はそれを聞いてフランはにこっとほほ笑む。
「マーシャ様を御することなど誰もできませんけどね」クレア
フランはあわわと言いながら、おろおろする。
皇子様と皇女様に付いている従者の内訳は女性5人男性5人、全員が獣魔人で兎人系が4人狼人系が3人猫人系が3人、現在このお風呂には17人がひしめき合っているのだが。
10メートルという大きめのお風呂には全員が同時に湯船につかってもあまりある大きさ。
もちろん壁には出羽亀防止魔法をかけてあるので覗き対策も万全。
まあ中は湯気もすごいので遠くからはどちらにしても中の様子はわからない。




