皇子の逃走劇
皇子の逃走劇
暗殺者の捕虜はリーダー以外全て魔真隊の隊員に任せ、集会場と思しき建物の中へ。
イスとテーブルがいくつも置いてあり、作りとしては食堂という感じだったが中は広く30人以上が入れるぐらいの広さがあった。
「みんな中に入って休憩じゃ」
それぞれに建物の中に入り椅子に腰かけたりそのまま座ったり。
「それでは皇子殿、今後のことを話し合うとしましょう」
話し合いの結果分かったことは、暗殺部隊の定期連絡は1日1回、午後10時。
そして彼らの現在の所属はガリアナ魔王国コーパス軍所属遊撃隊暗殺班、隊員は全部で50人。
主に敵の指導者や将軍もしくは軍師などの暗殺や滞った戦略の突破を請け負う裏方の仕事。
コーパス軍の将軍はガガリン・コーパス54歳(竜魔人族)、現王妃の叔父であり宰相の従弟という。
皇子が魔王城から脱出したのは二日前、従者の知らせによる。
2日前の夜、第2皇子と第一皇女が暗殺され、そのお付きの従者もろとも連絡を絶ったことにより事件が発覚、第一皇子はすぐに第2皇女を伴い城を脱出、転移魔法で王城下の町へと逃げさらに馬車を操り東へ逃走、一日が経ち山を越えて他の国へ入るところで商人を拾い同行。
進路をアルフレア王国ルルド方面に。
暗殺部隊は将軍の右腕であるトローヤ・バイリンデン魔伯爵(軍師・山羊獣人)からの命を受け、今日午前6時に宿泊地から1時間で準備を整え出立、7時に現地へ到着。
そして暗殺というより逃がさないようにするため1時間をかけゴブリン100匹を召喚、これから突撃というところで邪魔が入ったという。
朝6時というのは商人に偽装したカイルが転移魔法陣を林の中に設置したのがその時間であり、カイルはそれまで怪しまれないようにしていたからだ。
「これで時系列に元付く今回の出来事がはっきりしたな」
「それで、どうしますか?」
「とりあえず乗り込む!」
「は~~~?」
「お待ちください魔王城はそう簡単に入り込める場所ではありませんよ」
「それは聞いて居る、許可がないと入れないとかのうフロウラよ」
「はいですが裏技がございます」
「魔王本人が許可した者には特別に転移魔法の事前登録が省かれいつでも指定の場所にならば転移が可能です」
「フロウラが言うには前回魔王城に嫁として入るよう要請がありその時に直接魔王からいつでも待っているとオファーがあったという事じゃ、まったく魔王も好き者じゃのう」
「2度と行かないと決めておりましたが・・・」
「その魔法陣を使い今回童とフロウラそしてジルで乗り込もうと思うのじゃ」
「もしかしてその魔法陣女人限定ですか?」
「そうかもしれません・・」
「魔法陣の場所は魔王城の奥にある転移魔法陣、魔王様夜伽限定という事なので魔王様の寝室に近いようです」
「要するに夜這いをしに来いというやつじゃ」
「一回ぶっ叩きに行ってもよろしいでしょうか?」ロジー
「みんなでたたきに行きたいですね」ミミー
「その魔王のおかげでこの状態じゃからな、まあ妾が皆の代表できついお灸を添えにいく、今回はわらわにまかせよ」




