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女難の相

女難の相


「こちらが今回私が捕縛し奴隷にした魔族です」

「お~~すごいなこれは…」

「姫様これはどういう?」

「こちらの大きい方がフロウラ・ゾーヴィルそしてこちらがジル・チュラキュア」

「ちなみに2名とも男には噛みつくのでご注意ください」

「な!」

「マーシャよそれほんとうか?」

「最初にご注意しておかないとお兄様はすぐ手を触れるので…」

「フロウラ・ゾーヴィルでございます魔侯爵家の長女です、お話の通りお触りになるなら安全は保障出来かねます」

「ジル・チュラキュアでございます魔男爵家の3女吸血族のため手を触れた場合は血を吸いますのでご注意ください」


手を出しそうになっているところを慌てて引っ込める第一王子。

まあ全部嘘だが、フロウラもジルもどちらかといえばユリ属性のため男に触られるのは勘弁してほしい気持ちは知っている。

兄の手前紹介はするがそこから先は注意しておくことは忘れない、まあマーシャ自体も男に触られるのは少し勘弁してほしいという気もしないではない。

特に邪な考えを持っている奴には、相手の考えていることが分かるのでなおさらだ。


「そ そういえば獣人もいると言っていたな?」

(誰だ余計な事を吹き込んだのは、あとでとっちめてやろう)

「あ~ですが獣人たちも噛みつきますのでお障りはご遠慮ください」


そういいながら獣人2名を呼んでくる。


「こちらがラランカもう一人がクローネ」

「白虎族の族長が長女ラランカ・バイエルンです」

「黒豹族のクローネ・チャンバラガです」

「お~」


第一王子の目は好奇心に満ちていたが、すぐにマーシャは4人を下がらせた。


「これで終わりか?」

「兄上あまりお戯れなさると母上にご報告いたしますよ」

「ぐっ!そ それは・・」

「もう3人もお子様ができてこの秋には婚姻する予定と伺っております」

「ど どうしてそれを!」

「兄上、もう少し性欲を抑えるようにしないと、女性は後が恐ろしいのですよ」

「だがしかし!」

「そうだ!お兄様いいものを差し上げましょうか?」


実はマーシャは得意の工作スキルを活かして暇なときに又魔法具を作って彫金細工をしていた。

その中でもまだ魔法を込めていない指輪を取り出し魔法を込める、当然欲望を抑える魔法をかける、特に性欲を抑制する魔法を。


「己の欲を制し気を収め平静であれ、セーブディザイア」


指輪は一瞬光りそして元に戻る、マーシャの手には金色の指輪がきらっと光る。

唱えた言葉は一種だが同時に加護の魔法もかけておいた。

マーシャはそれを第一王子にプレゼントする。


「これをお兄様に差し上げます」

「これはマーシャの手作りか?」

「はい これを指にはめれば性欲が抑えられます」

「本当か?」

「まずははめてみてください」


王子はマーシャから指輪を受け取ると左手の人差し指へはめてみる、平打ちの少し大きめの指輪だがそこに魔石を2個あしらったシンプルな指輪だ意匠は猫の目のような模様をあしらったものだが、人差し指にちょうどはまり兄王子はそれをしばし眺める。


「うん 見ていると心が落ち着くな、ありがとう大事にするよ」

「気に入っていただけてうれしく思います」


指輪をはめたと同時に女難の相とHしたいという文章が消え去った、これでいらない心配をしなくて済みそうだ。

女難の相、それが消えないと彼には問題ごとが常に舞い込む、よこしまな考えを持った女性が近寄れば彼は抗えなくなり、その者の言いなりになる可能性が高くなる。

強いてはマーシャにも影響が及ぶ可能性もある、何せ彼は次期王様なのだから。

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