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第一王子カイル

第一王子カイル


王立学院を卒業し南の国境線であるザンキアナ共和国の国境線の町へ王族の一人として交易の勉強のため赴任していた第一王子に帝都への帰還命令が10日前に発令された。

それはマーシャが夏の旅行に出る五日前、彼は王からの命令で呼び戻されていた、そこへ先日ボロウロア町から魔族の捕虜を捕らえたとの伝令が届き町の防衛強化と各村の探索という命令が下った。

今回の指令は魔族の捕虜のことそして防衛線や町や村の復興という複数の案件が生じたため。第一王子だけでなく将軍の部隊も派遣することとなった。

第一王子と同行するのは魔真隊将軍ビルシュタイン・シュローダー、そうリリアナの父の部隊。

北の防衛を強化するにはやはり魔法に特化した部隊が適任ということもあり、王様が王子と共に進軍することを決めたのだ。

魔族がこれをどう見るかはわからないが、王国もただやられっぱなしではないぞという意思を示すという意味合いもある。

軍の規模は魔真隊1000人と王宮近衛軍200人、魔真隊1000人規模はまあ補給部隊といったところ、近衛軍200人は王子の護衛だ。

見る人が見ればこの人数で戦争などとは思わないが、今まで無かった事でもあり道行く軍隊を見れば一般人はギョとするだろう。


「将軍ボロウロアまでは三日ということだが」

「はいこれ以上は馬が持ちません」

「そうか、それならば仕方ないな」


国境の補強もあるが第一王子にとっては訓練の意味合いの方が強いだろう。

今のうちに戦いだけではなく軍というものを扱う組織的な命令の仕方や動きを学び、来たる戦争に備えさせるという。

彼もそれは分かっているが、王からの言伝てではすでに第三王女マーシャが現地入りして手柄を立てていると言うことだ。

学友数人と騎士隊十数人でボロウロア町を防衛し無傷で守り通し、さらに洞窟から村人を救出したという。

腹違いとはいえ、わが妹ながらその才能才覚は目を見張るものがある。

最後に見たのは彼女が5歳の時だった、そのかわいらしさに我が妹は天使ではと思ったが、戦いの才能まであるとは思ってもみなかった。


「そういえばそなたの娘も同行しておると聞いて居るが?」

「はい我が娘である次女のリリアナが第三王女マーシャ様に同行しております」

「我が妹が世話をかけてすまぬな」

「そのようなこと滅相もございません、かえって我が娘は喜んでおります」

「そうなのか?」

「はい、もともと我が娘、次女のリリアナは少しお転婆なもので」

「そうか?」

「はい」


魔真隊の半分は魔法師だ、戦い方も魔法を用いる、但し攻撃魔法は広域殲滅には向くが細かい偵察や分隊による作業は魔法師だけでは賄えない。

半分の隊士は魔法はあまり使えないものの剣士を含んだ機工師という分類に属する。

機工師、何やら気付いた方もいるだろう、そうその名の通り魔法を利用した機械を操る者達のことだ。

そして王子と将軍が乗る乗り物は馬車ではなく、機工車という。

4輪以上の車輪を魔法により動かすことにより馬車よりも早く戦場を駆け抜ける。

いわゆる装甲車に近い、動力も舵も魔法による装置と魔石で行われ、機工師が操縦をする。

乗り心地は馬車などとは比べ物にならないぐらい揺れずそしてスピードは最高60kも出る。


最新の機工車は時速100kは出るという、だがこの世界は舗装などろくにしていない道路なので現実にはそこまで出すことはできないが。

機工車1台に15人まで乗ることができ総積載量は2tというこの世界でも夢のような乗り物だ。

魔真隊はこの機工車を100台所持している、先に機工車50台が先行しそのあとを補給の馬車と騎士が続くという。

そのため五日かかるところを三日で着くという設定なのだ。

機工車のみなら二日で1000kを走破することができる。

先行する機工車が先に偵察を兼ねるため、あとから到着する物資の配置は同時に到着するより早く配置することができ、到着する町や村への負担も少なくて済む。

この量以上の人数が一辺に押しかければ、村など備蓄の食料はあっという間に底を突く。

王が命令すれば備蓄してある食料は絶対供出しなければならないのだ。

第一王子と将軍が着いたのは、マーシャ達が魔族の補給部隊を難なく捕えてから1日経った時だった。

ボロウロアの町ではすでに復興が始まっていた。


「姫様各村への帰郷はどうします?」

「村への帰郷はもう少し待ってもらう、護衛をつけるのと食料も少し持たせようと思うでな」


ボロウロア町の北側には2つの村がある、一つはワカシーロ村そしてルルド村。

どちらの村も家屋は半壊しており、修理しないと使えない。

村人だけにそこを任せてもすぐに修復できるわけはなく、最初にできるのは畑の手入れぐらい。

まずは今食料となる畑の確認、そして住むところの確保それを調べてからどのぐらいの補助が必要か算定し、人や物を支援する。

適当に村人を返してはちゃんとした被害総額は出てこない。

今は中央から送られてくる支援物資や人を待つのが先だということ。

町にはもともと住んでいた者たちが戻ってきており、宿屋も店も徐々に普段の状況に戻りつつあるが町の外には臨時のテントがそこかしこに張られ、領内の2つの村人たちは臨時で滞在している状態。

町の真ん中では現在炊き出しが行われ、日に一度簡素な食料を配っている。

その食料もあと1日で尽きようとしている、すでに追加の支援が来る手はずはついているのだが。


「マーシャ様捕虜はどうします?」


先に洞窟でとらえた8人そして補給部隊の20人、28人という捕虜だが帰ってきた村民たちの憎悪の的にもなっている。

人数が多いので町の真ん中に魔法で捕縛してあるのだが、当然目につけば村人は石ぐらい投げつけたくなるもの。

そこでマーシャは捕虜である魔族に防御魔法をかけておいた、通常の石を普通に投げつけたところでけがはしないように。

だが捕虜にも食料は必要なので時間になれば簡素だが炊き出しの残りを分け与えている。

そうこうしているうちに1日が過ぎ、地響きとともに魔真隊の機工車部隊が到着する。


(ぐ~~ご~~)

(ぐお~~~~)


腹の底に響くその音と地響きは同時に人々を震え上がらせる。


「な 何事?」


時間的には昼間だったためそれほどの騒ぎにはならなかったが。

機工車を見るのは初めてという人が多く、大部分の者は建物の中へと逃げ込んだ。


(ジュザ~~キイ~~)


町の南側から一列に黒い箱のような物が1kにわたって並んでいた、その数50台。

先頭を走る機工車から魔真隊の先遣隊とみられる隊士がおりてくる。


「魔真隊機工車部隊隊長、エニマル・コーブルただいま到着しました」


対応したのはマーシャではなくロドリゲス・バイロン。


「王宮騎士隊隊長ロドリゲスバイロンだ」

「はっ! 王様の命により魔真隊1000名と第一王子カイル様および近衛隊200名本日ボロウロア町へ到着いたしました」


機工車50台どう考えても町の中には止められず、急遽町の外に駐車場となる整地を行うことになった。

そして王族二人が久々の挨拶を交わす。


「マーシャよ久しぶりだな」

「お兄様本当にお久しぶりでございます」

「私が南の国境へ行って以来だからもう3年近くたつな」

「はい、お元気そうで何よりです」

「ん それではさっそくだが今回王様よりの命令を実行しようと思う」

「戦争をなさるのですか?」

「いやそこまではしないようだぞ、私に下された命令は北の国境線の強化とそれに各村の立て直しと補給だ、そして捕虜のことだな。」

「安心しました、では今後のことはお兄様にお任せいたしますが、少しお願いがございます」

「なんだ?申してみよ」

「捕虜のことですが、乱暴に扱うことのないようお願い申し上げます」

「そんなことか、わかった」

「それともう一つ、村の復興はわたくしが参りますので、少し兵をお貸しください」

「どのぐらいの兵を割けばよい?」

「この北側に村は2つ、50名ずつ計100名もいただければ足りると思います」

「そのぐらいならば問題ないだろう」

「あとお兄様食料の補充はどのぐらいございますか?」

「機工車で運び入れたのは二日分の食料だが1日遅れで荷馬車の部隊が30台到着することになっている、支援の食料はすべてそちらに乗せてある」

「ありがとうございます」

「堅苦しい話はここまでにしよう」

「えっ?」

「知っておるぞ、マーシャは普段もっとざっくばらんに話すことぐらいな」

「どこからその話を?」

「学院に私の後輩が何人いると思う?」

「あ~そうでしたね」

「まあザックバランといってもそれほど気にするなという意味だ」

「それより魔族の奴隷を捕まえたということじゃないか?」

「お兄様、お耳が早いですね」

「私もまだ魔族は数人しか見てはいない、それに魔族の女奴隷など未だ見たことはないぞ。それにマーシャが奴隷にしたというじゃないか、今回の功績も我が妹ながらうらやましい限りだ」

「それほどでもございません、お兄様でも同じように対応できたと思います」

「それはそうと魔族の奴隷は何処に?」

(こいつ、それさえなけりゃいいやつなんだが…)


実は長兄である第一王子は結構女好き、学院にいた時も先輩である女生徒から、長兄の浮名話がいくつか耳に入っている。

噂でしかないがこの第一王子すでに4人もの女性に手を付け3人を孕ませたという話。

すでに箝口令が敷かれ秘密裏に処理したというが、3人の子は王族のご落胤となりお相手のお嬢様たちにはかなりの優遇処置がとられているとのこと。

まあモテモテなのもいいが剣術の腕前も悪くはないため、王族としてはこのぐらいあたりまえということなのかもしれない。


カイル・シュバリオール・アルフレア  

22歳

種族 人

男 

王家長男 イケメン 身長184 3人の子持ち 今年10月に結婚する予定


魔法熟練度      97/100級

剣術        166/200級

小剣術        65/100級

槍術         67/100級

体術         77/100級


HP  1000/1000 ヒットポイント(体力)

MP   900/1000 ミッションポイント(マジックポイント)

SPD   121/100 スピード(足の速さ)

AGI   177/200 素早さ(敏捷度、魔法詠唱+補正)

AT    237/300 アタック(攻撃力)

MAT   132/200 マジックアタック(魔法攻撃力)

DF    187/400 ディフェンス(防御力)

MDF   156/200 マジックディフェンス(魔法防御力)

FA    133/200 フィンガーアクション(器用さ)

IT    127/200 インテリジェンス(脳力、頭の良さ)


魔法※火6水6土8風7聖5光7闇4無5

加護※(王家の守り)

※王家の守りにより各パラメーターにプラス10

※装飾品一つ一つを鑑定するには他のスキルが必要

基本的には正義感が強く正義の味方ではある、但し女性に流されやすく本人も女好きのため、女難の相が出ている。

頭もさほど悪くはない、そのうちマーシャの下僕になる。

現在の悩み 1戦争は面倒だ 2はやく又Hしたい 3魔族の女としてみたい。

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