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風呂作り

風呂作り


ホテルの部屋は昨日とは違いかなり質素な作りだった、このあたりにもこの領があまり発展していないことを物語っている。

町の雰囲気もやや暗い、そして午後7時にはどの店も閉まっており。

バーやレストランも同じように閉まってしまっていた。


「マーシャ様今日の魔法訓練は終わりました」

「ん」


ホテルの部屋では目の前にクレアとフランそしてリリアナ、そこに新たに加わった獣人の女の子2人。


「姫様!」

「一応洋服を用意しておきました」

「うぬ 食事の前に湯あみじゃな、このホテルにはそういう設備はなかったか?」

「水浴び場はあるようです」

「ではそこを借りるとしよう」


ホテルのフロントで水浴び場の使用許可を取ったが、そこは外部から丸見えという状態、この国は王族や貴族の屋敷でもない限りお風呂などというものは設置したりしない。

ホテルも高級な部屋を取った場合は湯あみ場がついている場合もあるがほとんどがトイレさえ共有だったりする。

魔法があるので紙を使用することはないが、小用の処理をするには水魔法と風魔法の習得が必須となっている。

通常は桶などを使い体をふくだけで済ませるが、獣人たちの外見はかなり汚れているだけでなく。

そばによると獣臭もすごかった、ベッドに寝かせようにもこれではホテル側に迷惑をかける。


「ここが水浴び場のようじゃのう」

「外から丸見えですね」

「リリアナよ 少し手伝ってもらおう」

「はい、仰せのままに」

「この場所へこうして、ここを高くして、ここからここまでを壁で覆うのじゃできそうか?」

「やってみます、お任せください!」


水浴び場と言っても屋根がついた井戸の横に板を引いてあるという簡素なもの。

衝立などはまったくないため、外部からは丸見え。

場所はホテルから少し離れているため、周りは雑木林と少し整地された広場ぐらい。

女子が裸で水浴びなどしていたら、興奮した男どもがよって来ることは目に見えている。

3メートルほど離れた所に土造成魔法を使い小さなプールとその周りを囲う塀を作ることにした。

プールは3メートル四方、壁はその1メートルほど離して作成し端に入り口として1,5メートルほど隙間を開けておく。

水は井戸からくみ上げプールに貯めて魔法で温度を上げていく、プールには魔法で防水加工を施しお湯が漏れないようにしておけば、小さなお風呂が出来上がる。

さほど大きくないので3人ずつぐらいで利用すればいちいち水桶でお湯を作るより楽に体を洗うことができる。

風呂作りはリリアナに任せてマーシャはシャワーと排水路を作ることにした。

少し歩くと雑木林の中に竹のような植物があったので、風魔法で程よい長さにカットし、まずは桶のようなものを作成、長い竹の先に桶をくっつけてそれを壁の内側に設置、頭上の桶の下には細かく穴を開け下から水が出るようにしておく、蛇口のように魔法をかけ調節すれば出来上がり。

風呂の外側で一番低い場所に10センチほどの排水溝を作り外側へと排水路を設置、土造成魔法を使い排水路を林の外へと低い土地まで地面を刻んでいく。


「そちらはできたか?」

「はい、完成です」

「おお、立派なもんじゃな、どれどれここに魔法で」

「エクストラウォータープルーフ」

「よし皆でここに水を貯めよ、井戸の水も使ってな、そうしないと水魔法だけでは時間がかかる」


風呂場全体に撥水魔法をかけ土が水の影響を受けないようにする、簡単な魔法なので数時間すると解けてしまうが、まあ臨時なのでそれほど気にすることもない。

約30分で簡単ながら土加工式の風呂が完成した。


「姫様!何してるんです?」

「風呂を作っておる」

「げっ!本格的じゃん」

「おぬしらも使うか?」

「よろしいのですか?」

「女子が使った後なら構わぬ」

「その代わり不埒なものが覗かぬようにしっかり見張っておれ」


女子数人で水を貯め熱交換魔法を使い水の温度を上げる、短時間で作った割にはよくできている。


「姫様お湯が張れました」

「では先にリリアナとクレアそしてフランが入れ」

「それでは姫様を洗えませぬ」

「構わぬ、わらわは本日獣人を洗う、邪魔はさせぬぞ」

「ひっ!姫様怖いです~」


そう姫様の目的は獣人二人のしっぽ、生前読んだラノベに書かれていたしっぽがどうしても触りたかった、このような機会がないと堂々と触れない、絶好のチャンスなのだ。

まあ獣人たちは恩を忘れていなければ頼めば触らせてくれそうなものだが、それ目的で頼むのも何か気恥ずかしく感じる。


「あ~気持ちいいです~」

「旅先でこのようなことができるなんて・・」

「ふ~」


約15分で一組目が終わり次にマーシャと獣人2人がお風呂場へ。


「さあ、おぬしたちも洗ってやるぞ」

「あっやめて~~姫様・む むりです~」

「こそばゆいですって~~」

「あ~あっそこは・あ~~」


男子数人は外に立たされて風呂場を背にして不審者の接近を阻んでいるのだが、今の所 誰も近寄って来てはいない。

風呂場からはあられもない女子の声が聞こえる、男の本能は耳を刺激され一部の男子はやや前かがみになっていくが、15歳と言えばお年頃でもあり、彼らにとっては我慢するのはかなり厳しい状況だ、しかもほかにも女子はいるマーシャお付きのメイドも、マーシャが洗い終わるのを待っており、そこかしこから石鹸の香りがほのかに流れてくると男子たちはおのずとお辞儀してしまうのだった。

一応マーシャは壁の外側に電撃バリアを張っておいたりするのでさほど問題は無い、突入してきたとしても一瞬で伸びてしまうほどの電撃のお仕置きが迎え撃つ。

風呂は当然ヨーロッパ式泡風呂、獣人たちは通常水浴びがほとんどで手足は舌でなめてきれいにする場合が多い獣種。

はじめは嫌がっていた獣人たちも練れてくると泡が珍しいのか風呂の中ではしゃぎだす。

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