カイザーデビル×3とユキヒョウ
カイザーデビル×3とユキヒョウ
悪魔と言ってもいくつかのランクがあるらしい。
通常のデビル(悪魔)はそれほど大きいものではなく1メートル程度の浮遊する魔物。
背中には羽が生えており触覚が2本そして全体に黒っぽい皮膚をしている。
だがこの場に出現したカイザーデビルと言うのはほぼ姿を隠蔽しているらしく。
目の前にいる部隊は何と戦っているのかすら肉眼では確認できなかった。
「クッ」
「ガンガン」
「ビギュギュギュ」
「ズン」
「アーアーアーアー」
「耳が!」
「魔法で応戦しろ」
「アンチコンフェ、マジックディフェンス」
ここまで来たのは雷蝶部隊の本隊を預かるビラシャーム・シビラルディ魔侯爵と10名の部下。
本来ならば王国の第三王女の後を付けて動向を探るという任務のはずだったが。
彼らはエリア3を攻略してから本来の任務を遂行しようと思ったらしい。
先ほど会ったミシュケウストルマージ魔伯爵はビラシャ―ム魔侯爵に無理を言って同行したようだ。
「ガシュンシュンシュン…」
吹雪いているうえに敵の姿も見えず悪戦苦闘している11名の魔族。
「苦戦しておるな」マーシャ
「どうします?」
「少し様子を見るか」
あまり近寄るとこちらに気が付く上に、魔物の攻撃対象になってしまう。
どうやらカイザーデビルをやっつけなければ次のエリアには進めないらしい。
戦いの場所から1kほど手前に着陸し、氷の塊の陰から彼らの戦いを傍観する。
「見えない敵と言っても攻撃が魔法ならばそれほど難しくはなさそうじゃな」
「見えないのにか?」スウジャ
「まずは範囲指定の重力魔法で地面に縛り付け、魔法で隠蔽魔法を解除すればよいだけじゃ」
どうやら雷蝶部隊には防御魔法の使い手はいるが、攻撃魔法は中級クラス止まりらしい。
「見えない相手にこの吹雪の中、物理攻撃は無理がありますね」リリアナ
「そろそろ終わりそうじゃ」
彼らを助けるとこちらの邪魔をされそうな気がする、どんな使命を受けてきたのか分からない今、お帰り頂くのを待つのが最善と言える。
下手に手を出し助けてしまうとこちらの行動を邪魔されてしまう恐れがある。
「ギャオー」
「今度はなんだ!」
何処から現れたのか?見えない敵にまぎれてその巨体が姿を現す。
どうやらこの場で出現する魔物は一種類だけではないらしい。
「ズンズン」
「ギャワー」
「た 退却!」
巨大な生き物、と言っても吹雪によりその大きさが分かりにくい。
それはフェンリルの3倍ほどの大きさがあるホワイトレオパード(雪豹)だった。




