フェンリル
フェンリル
その姿は氷雪狼の10倍近い大きさだった、口からは吹雪を吐き出し。
近寄った者は全て凍り付く、マイナス200度。
極寒の吐息を常に吐き出しながら、ダーラの元に姿を現した。
「久々じゃな」
「ウオー」
「でたー」魔伯爵
殆どの魔族がこの先に行けないのは、小ボスとは言え強烈な寒さと中盤なのにやたらと強い魔物が出て来るからだった。
「では本気を出そうかのう」
「我が姿を太古のままに」
「グアウー」
もちろん着ている服は前もってストレージへと保管することは忘れない。
暗黒竜ダーラスがその姿を元に戻すのは久しぶりの事だった。
ロッジから500メートルほど離れた吹雪の中、吹雪の中ではぼんやりとしかその姿は映らない。
「ほれかかってこい!」ダーラ
「ビュー」
「ドズンドズン」
「そんなものか」
「バシュン」
「ドドン」
暗黒竜に飛び掛かるフェンリル、だがダーラの尻尾にはじかれて20メートルほど飛ばされた。
「ズンズン」
「グアー」
「その調子じゃ」
「ビュー」
「凍らそうとしておるな、なんのこれしき」
「こうじゃ」
「ブオー」
ダーラスは久しぶりにダークブレスを使用した、ダンジョン魔物は殲滅しても数時間でリポップする。
今までもこの技を使用することはなかったが、ダンジョン魔物相手ならば遠慮することも無いだろう。
「ギャウー」
「終わったな」
「シュー」
フェンリルがやられたと同時に吹雪が止んでいく、ダーラも暗黒竜からまた竜人の姿へと変身し服を身に着ける。
遠くにいた者には何がどうなったのかすらわからないだろう。
だがマーシャには全て分かっていた。
「終わったようじゃな」
「バタン」
「あ 開いた!」
「おぬしらまだいたのか?」
「なんだと!」
「貴方失礼よ、この方は魔王様のご友人」
「お ミシュケウスか?」スウジャ
「なに?」
「スウジャ様」従者ヨモギル
「え!」
まさか魔王の片腕がこんなところにいるとは思っても見なかった魔伯爵一行だった。




