ゴブリンキング
ゴブリンキング
山の大きさはそれほど巨大なものではない、とはいえその山が丸ごと城になっていると考えると、そこそこの大きさはあると思って構わない。
裾野には木が生い茂り数か所をゴブリンリーダー以下数匹のゴブリンが巡回している。
「面倒じゃな、魔法で姿を消すか…」
本来ならばゴブリン偵察隊を3部隊以上かたづけてから洞窟へと突入するところだが。
マーシャは魔法で姿を消して先へ先へと突き進んでいく。
「姫様」リリアナ
「し~、他のゴブリンにばれるじゃろう」
洞窟を進んでいくと中にひと際広い場所が見えて来る。
「ズンズン」
「うがーう、うがが」
「ぎゃわぎゃわ」
「ぐがが」
何を言っているのかはさっぱりわからない、だがゴブリンキングが見えたと同時に。
マーシャはその場から走り出した。
「ダダダダ…」
「ザシュン!」
「ズズズン」
「ピロリン」討伐完了の音
「これで終わりか?」
「楽しむ間もないのう」
(秒殺かよ)
「いつもこんな感じなのか?」
「たまにですね、今回は初めてということもありますから」リリアナ
ゴブリンキングを秒殺、手にしているのは名もないナイフ、とはいえマーシャの作った果物ナイフなのでいくつかのバフが付いている。
Aクラスのナイフ、その切れ味は他のナイフと比べるべくもない。
「お宝ゲットしたぞ」
「え~なんかずるいです~」フラン
「最初だけじゃ許せ」
手に入れたお宝はゴブリンキングの笛とゴブリン王の首輪、そしていくつかのお宝だった。
「一発目で首輪か、運がいいな」
「幸運値300オーバーじゃからな」
「なんだそれ」
「最上級のお宝ドロップの確率が100%ってことですよ」カユーラ
「へ~」
(それってチートじゃねーの)
「あ、魔方陣が出ましたよ」
「次へ行くぞ」
ボスを倒せばその時エリア内にいた全員が次のエリアに移動できる。
第一エリア内には冒険者は誰もいなかった、お宝を取りに来る者はほとんどがエリア2かもしくはエリア3へと転移するらしい。
確かに通常の雑魚ゴブリンが落とすドロップ品はお宝とは言えない代物ばかり。
これでは宿代どころか飯代にもならない、一応ゴブリンキングを倒して出たお宝ならばかなりの高額で取引されている。
笛は雑魚ゴブリンを引き寄せることができるし、首輪があればゴブリンを武器として利用できる。
ゴブリンキングの笛:ゴブリンを呼び集めることができる、ゴブリンの種類や階級はランダムMDF+20。
ゴブリン王の首輪:呼び寄せたゴブリンを使役できる、ゴブリンの加護DF+100。
どちらも加護の魔法が付与されているので、所持しているだけでもその能力が加算されるという。




