魔法の訓練
魔法の訓練
マーシャの頭の中では今日は魔法、明日は体術、そして剣術と日替わりで訓練しようかと思っていた。
教える順番にも意味がある防御魔法をまずは覚えてもらう、これが最低必須なこと。
そして体術、体術と簡単に言うが体の動きすべて体術につながる。
足の動き向きそして速さなどを戦いの最中、自然に対応できて初めて体捌きができるようになる。
それは剣術の基礎にもあり、ただやに無に剣を振るだけが剣術というわけではないからだ。
「それでは食事はこれにて終了、ごちそうさまでした」
「では皆、参るぞ」
ホテルの裏庭には少し広い雑木林があった、そこには誰かが剣術の練習でもしていたのだろうか、下草もなく、かなり固く踏みしめられたそこそこ開けた場所があった。
「うぬ ここでよさそうじゃな」
「姫様まずは何を?」
「まずは防御魔法からじゃ」
「できるものは厚めに防御魔法を自分にかけていく」
「できないものは妾が手伝う」
「まずは手を横に広げそれぞれがぶつからないように並ぶのじゃ」
「こんな感じか?」
「ん それでよいぞ」
「防御魔法、できないものはいないか?」
「姫様すいません俺得意じゃないんで…」
「構わん少し手伝ってやろう」
そういうと男子にマジックブースト(魔法補助)をかけていく。
「マジカルブースト!」
「お~なんだこれ…」
「そのまま防御魔法をかけてみよ」
「わが加護の力をここに示さん、プロテクション」
「すげー今までなかなかかけられなかったのに、一発だぜ」
「俺もお願いします」
「今のように全員同じように防御魔法を展開、それができたらさらに上位の防御魔法を使う、それをMPが切れるまで繰り返す、気持ち悪くなったりめまいがしたら、すぐ座って休憩するように」
プロテクション(防御)だが細かく分けるとさらに少し上の魔法があったりする。
ミドルプロテクション(強化防御)
ハードプロテクション(最大強化防御)
呼び方はそれ以外にもあるがこの二つが上位の防御魔法となっている。
そこかしこで詠唱が聞こえると早くも男子の一人が音を上げた。
「きっつ~、ああ気持ち悪くなって来た~」
「気分が悪くなったらすぐ休め、しゃがんでもよいぞ、遠慮するな先ほど腹に詰めたものがもったいないからな」
そういわれて男子数人がしゃがんで休む、やはり魔法が不得意な3名が音を上げた。
「これだから魔法は嫌なんだよ」
「確かに男子には堪えるがな、女子は大人になるとこういう状況と常に対応しなければならぬ、要はいつも女子は我慢しておるのだと言うことを頭に入れておくのだぞ、それがいい男の条件じゃ」
「ま マーシャ様!」
「よかろう、いつか分かることじゃ」
男子の中にはすでにマーシャの言っていることを理解している者もいるが約半数の男子は頭の上にはてなマークがポプアップしているのが見て取れる。
(まあ後で知っている者が説明するじゃろう)
(男子のMPは100がいいとこじゃな・・)
防御魔法は少なくともMPが10ポイント必要なので、MPの低い男子たちはせいぜい7回も掛ければ枯渇していくので見返りとしてバッドステータスが発生する。
先ほどブースト魔法をかけたので半分の使用量でかけることができたはずだが、元々不得意な者は最初に倍以上のMPを使用するものが多い、不安定な魔法を威力で補おうとするためだ。
そのためすぐに気分が悪くなりその後の剣術試合となると、防御魔法はいらないという図式が男子生徒の間で通例となっているのだ。
だが剣術抜きでやるならば気にせず魔法をかけられる。
不得意な魔法でも何度となくかけていれば、楽に簡単にかけることが可能となる。
「あたしもやばいです」
「すぐ休んでよいぞ、まずは枯渇してからどのぐらいで回復するのか覚えておくことじゃ」
「ああなるほど、使った魔法の容量や自分のMP保有量を知る目安にもなる」
「女子は毎回魔法を使用するから分かるが、不得意な男子はそんなことも考えないから今自分がどのくらい使えるのかもわからんじゃろう」
「最初に音を上げたジョシュがMP容量60じゃ、次のトッドが70あとは100じゃな、女子はリリアナが最高で1200じゃ
「皆知らんから教えておくが魔法は使えば使うほどMP容量が増える、特にバッドステータスが出るまで使用するのがコツじゃ」
「そしてそのバッドステータスが何分で回復するのかも覚えておくのじゃ、そうすればいつまた使用できるのかがわかる、戦場ではそういう細かい知識が命取りだと覚えておくがよい」
「姫様かっくい~~~」
「へ~~~~すげ~そんなことまだ教わってないぞ」
「ちゃんと魔法書や剣術書の兵法には書いてあるぞ、何も剣を振るだけが勉強じゃないのだからのう」
「よし治ったものはまた同じように防御魔法をかけてみよ、その繰り返しじゃ」




