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ホテルの夕食

ホテルの夕食


ホテルホースサイドには別館がある、その1階はレストランになっており50人以上の来客に対応できる、この町でも一番大きなレストランだ。

もちろんほかにもレストランやバー、ラウンジはあるが15人という人数が予約もなしに食事できる施設はこの町には無い。

一応ホテルの予約時に併設するレストランの使用を伝えてあるため、中に入ると団体用なのか長いテーブルに20人ほどが腰かけられるスペースが用意してあった。


「こちらでございます」


そこには待てなかったのか男子がほぼ全員席についていた。


「姫様、待てずに来てしまいました」

「腹減って仕方ないんだが」

「はやくたべようよ~」

「君たち姫様の前です、お行儀よくしないとおうちの方に報告しちゃいますよ」

「えっ!まじ!」

「せんせ~それはないよ~」

「もう勘弁してくださいよ~」

「まあよい、少しぐらいは構わぬ、料理も半分出ておるみたいじゃしのう」

「これでやっと食べれるよ」

「では皆そろったことだし食べるとするか」

「はい!」

「天にまします我らが神よ、今日の糧を頂き誠に感謝いたします」

「それではいただきましょう」


ちなみに王族は神に祈りをささげることはないが、マーシャは神の存在を確認しており敬うところまではしないが、祈りは日常的に行っているため庶民と同じく食事時に祈ることは普通だと感じている。

目の前には大皿10皿それぞれにサラダや肉類そして味付けの違う穀物がこんもりと盛られている。


「うお~~」


男子は我先に肉類を皿に取りあっという間に平らげている、開始5分で10皿が片付けられ、すぐに新しい料理が運ばれてくる。

飲み物は、ジュースとワイン ジュースはオレンジに近い柑橘系、ワインは生前飲んだことがあるアルコールの強いものではなく、水でかなり薄めてあるらしく低年齢でも飲める品物だ。

実はワインそのまま飲んでもよいのだがそれだとアルコールは6%前後になり長期保存には向くが子供が飲むものにしてはアルコール度数が高すぎる。

通常子供が飲む場合はワインをかなり薄めてフルーツポンチにしてみたりジュースにすることが多い。

あくまでも保存食としてのアルコール度という考え方だ。

そのため少し赤く染まったグラスを2杯ほど飲んでも少し顔が赤らむ程度。

もちろんジュースは他にもあるので必ずしもワインを飲む必要はないが、この国のアルコール解禁年齢が15歳となっているため、男子はこの少し赤い飲み物の方が好みらしい。

マーシャにはクレアがかいがいしく料理をよそってくれるのでいちいち立つ必要がないが、周りの男子の食べるスピードが速いためなんとなく焦り気味だ、すでに小皿4つ取り置きしてあり今は次のさらに違う料理を盛っている。


「クレアよ、もうそのぐらいでよい、そろそろ自分の分を取り分けてよいぞ」

「はい、かしこまりました」


こういう時子供は苦労する、男子たちはすでに身長も150は超えており普通に料理をよそえるが、大人用の椅子やテーブルは子供では手が届きにくい。

そのため料理に手は届かず難儀する、一応フランでやっと届くぐらいだ。

マーシャは4皿もあればもう十分で、この体には500gも食べればかなりおなかが膨れて苦しくなる。

成長促進のスキルはあれど、それほどスキルに極端な味付けはされていないようだ、もしかしたら年齢と共にアップするように設定してあるのかもしれない。

7・8歳で身長170センチとかは確かに恐ろしいが、身長はホルモンバランスだけでなく栄養のバランスも大事なので早く伸びれば良いとも限らない、そのあたりは生前の知識でもわかっているので、焦らず成長を待っているところだ。

約1時間の宴だが目の前にある大皿は何度盛られてきただろう。

男子の座る前の皿はことごとくきれいに平らげられていた。


「うまかったぜ」

「寮の飯もまずくはないけど、こういう料理はレストランで食べる方がやっぱりいいね」

「ああ久々に腹いっぱいだ」

「さて姫様はこの後どういたしますか?」

「ん 食後は魔法の訓練をしようと思う、せっかくじゃから皆の能力も見ておいた方が良いじゃろう」

「俺らもか?」

「剣術でもよいが、良いのか?剣術訓練だとボロボロになるがな」

「ひえ~~」

「魔法の訓練で良いです~」

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