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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第7章 魔王対公爵
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魔王の言葉

魔王の言葉


下剋上の儀は終わった、こういう結果になるとはだれもが予想していなかっただろう。

もちろん掛けは無効となり今回ベットしたお金は全部返金されることになる。


「魔王様」

「無効試合か…」

「まさか、あ奴に邪神が加担していたとはな」

「加担というわけでもなさそうじゃぞ」マーシャ

「そうなのか?」

「まあ、最初からではなく途中から罠にはめようとしたようじゃな」

「そういうことか」


最初からならば試合直後から魔王が魔物にやられていたはず。

邪神もそれでは成り行きによっては面白みに欠けるとでも思ったのだろう、できるならばより多くの魔族や魔公爵が苦しむ姿を見たい。

罠に嵌めるならぎりぎりで貶めるのが一番効果があるという物だ。

魔公爵が悩み苦しみ迷った末に罠に嵌めた方が邪神達のエネルギーになるという話。


「父上この先はどうなさるのですか?」マリオス

「下剋上の儀はいったん中止だな、まさか邪神が絡んでいるとはな」


一応マーシャからは女神の言葉を少し話してはある。

邪神によって国内は不安定になるだろう、それを防ぐために魔王国内での自由な行動許可を得られるようにお墨付きをもらってはいる。

そうしなければ魔王国はあっという間に混沌に陥ってしまう。

魔王の交代だけで済むのならそれほど問題はない、だが混沌というのは魔王国内がマイナスの因子で包まれ魔族同士が争う戦場へと変化する事。

それは強いては王国迄巻き込んでいくことになる。


「そうだな、ロディトルには悪いが今回の件は白紙に戻し責任としてジャベリンダガラスの件は当分マーシャ殿に一任しようと思う」


本来ならば他国に自国内のいざこざの処理を任せるなどということはないが。

今回の場合すでにジャベリン卿はアルフレア王国内で事件を起こし投獄されている身であり、その保証もしなければならない。

実はこの件についてサザラード魔公爵側からは一切かかわっていないという回答を得ている。

ということは、自分は知らないので勝手にしてくれということになる。

だから魔王としてはジャベリン卿が治める領の調査をしないことには、国境沿いの統治権をどうすることもできないのだ。

調査が終われば最終的には王国側に半分程度の領地を保証として譲渡することになるだろう。

それを魔王国側の調査で割譲するということになれば、また王国に対しての反感が大きくなってしまうからだ。

魔王国側の国民は何故に度々国土を王国へ割譲しなければならないのか?と言う考えが増えるだろう。

邪神が暗躍しているのならなおさらだ、国民の意識を煽り利用して反旗を翻す者が増えることにつながる。

魔王国は常に強者に準ずるという基本理念が根付いていたりする、それはいつでも戦いを起こす勢力が時期を待っているという事。

魔王がマーシャに魔王国内での行動を許可しているのは、マーシャが強者であり魔王に代わって国内の不安をぬぐってくれれば魔王としての仕事も減り。

そしていずれマーシャがそういった地位にいると、魔王国の国民全員に知らしめることができる準備ができるからだ。

わざわざ面倒ごとの解決を買ってくれるというのだから魔王としてもそれを利用しない手はないと言って良い。

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