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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第7章 魔王対公爵
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王国の第三王女は聖女?

王国の第三王女は聖女?


魔王国の魔法学院にある聖堂には聖女伝説で有名な試しの剣がある。

先日マーシャが抜いてしまったために、今は偽物が刺さっている。

重力魔法で数十トンという重量にしてあるため、その剣を抜ける者などはいないはずだ。

現に魔公爵もマーシャが抜いてしまった後、あそこに訪れて試してみた。

もちろん抜けるはずなどありえない、その他にもすでに学院の生徒100人以上が試しの剣に挑戦している。

もしも試しの剣が抜かれ聖剣が無いと分かってしまったならばどうなるだろう。


「何なのあれは」ミストル


既に変身魔法は解けており、本来の金髪碧眼ナイスバディという姿で宙を舞うマーシャ。

しかも小型の水竜まで召喚して補助魔法を使用して魔物と戦っている。

飛び散る黒い液体は魔法による効果なのか上空で消えている、いくつかの魔法によって遠くからでもよく見えるようになってきた。

先ほどまでは黒い霧に包まれよく見えなかったが、今ではマーシャの神々しい姿がしっかりと目に映っていた。


「観客は?」魔王

「もう避難は完了しています、残っているのは我らとマーシャ様のご友人達だけです」マリオス

「まさかあのような姿になって迄、勝ちを得ようとは…」

「とりあえずここは危ないので反対側へ行きましょう」

「こちらです」マリオス

「お兄さま早く」ロキシー


魔物が振るう剣による斬撃と爆発、戦っているのは神々しくそして麗しい。

まるで神と悪魔の戦い、その姿は見学に来ていた他の公爵や爵位持ちの目にも映っていた。


「あれは人族!」

「先ほどの姿と違うぞ、変身魔法か?」

「おいあの姿、光っていないか?」

「そのようです」

「う 美しい」

「おい、その言動は後で問題になるぞ」

(最初は魔族の姿だったのに、変身魔法か…)


変身が解けて本来の姿になったマーシャ、まだ9歳だというのにその外見は14歳以上。

確かに女性の成長は男子よりやや早い、しかも王族は一般人より少し大きめだったりする。

その身長は魔族よりは低いが、その姿は魔物と比べてもさほど小さく感じなかった。


「まだ吸い尽くせないのか、魔石は既に3つが満杯じゃ」

「ゴアー」

「バギャンゴキン」

「ドズンドズン」


既に5分が経過し魔物の動きが徐々に緩慢になっていく、そしてとうとう手に持った剣を投げ出した。

マーシャの振るう剣、吸魔剣(ドラキュラソ―ド)RクラスSRランク、マーシャが作った剣の中ではそれほど珍しいものではない。

高級魔石が10個はめ込まれた魔剣ではあるが、マーシャにとっては研究の一つでしかない。


「ビュン」

「おっと」

「パシン」

「ウラヌスソードか、これはいただいておこう」


後で文句を言われようと今回の事件を収めているのはマーシャであり、後々の問題を解決する時にも利用価値がありそうだ。


「グアー」

「まだ動くか!」

「ホーリーバインド」


少し動きが悪くなってきたところで聖なる鎖魔法を放つ。

瓦礫に変えられた壇上に降り立つマーシャ。


「ストッ」

「ようやくおとなしくなったようじゃな」

「汝を呪いから解き放つ、ホーリーリリース」

「シュワワー」


あれほど醜くかった姿が見る見るうちに本来の姿へと戻っていく。


(また邪魔されたか、ふふふおもしろい)

「邪神か」

(いかにも、そういうお前は使徒か)

「いいやただのヤンキーだが、これでもくらえホーリージェイル」

(なんだと! アアー)

「今のは?」アクア

「少し聖なる呪いをかけてやった」

「聖なる呪いですか?」

「まあ、制約じゃな」


姿かたちは見えないが、何らかの意思があるのならば神の力で敵に攻撃することは可能だ。

神に等しい力をいくつかもっているマーシャ、指には女神から渡された学問の指輪が輝いている。

※聖なる刑罰ホーリージェイル悪いことをしようとすると制限がかかる呪い。

これで邪神の一人は行動を制限することができたが、邪神退治が簡単な話ではないことぐらい分かっている。


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