因縁
因縁
盗賊の首領がいる屋敷、そこは奴隷商人が使用していた建物であり、この町で一番大きな建物だった。
町の管理官が住む建物より大きいとは、いかに奴隷売買で儲けていたのかがわかる。
そしてその建物には現在も奴隷が数人捕らわれていた。
「だれだ!」
「ミストルグラディサザラードよ、あなたがここの首領?」
「見張りはどうした!」
「全員眠ってもらったわ」
「ミストル、公爵家の娘か!」
「俺をどうするつもりだ?」
「どうもしないわ、歯向かうなら死んでもらうけど」ミストル
「返事は?」モーリン
「何が欲しい、お宝か?」
「奴隷の情報よ、それとあなたには私の傘下に入ってもらうけど、いやなら死んでもらうわ」
「こりゃたまげた、噂は聞いてるがどうやって俺を殺すって?」
「こうやってよ」
「フリーズ」
「ピキキ…」
「ウオッ!」
「どう?」
「分かった、言うことを聞く」
タイミンが悪いのか良いのか、ミストルと盗賊の統領がいる屋敷の中でさらにもう一組が彼らに対峙する。
「これはどういう状況じゃ!」
「バチュン!」
「刀を抜いたということは我らとやり合うということか?」フォルダン
「邪魔をするなら殺すわ」モーリン
「だれ!」
「マーシャオースティンアルフレアじゃ」
「敵国の王女!」
「ガキン!」
「フリーズ」
「パキキ」
「シュオン」
「解除された!」
「グリーンバインド」
「ウニュニュ」
「シュンシュン…」
狭い屋敷の中でお互いの魔法が相手に襲い掛かるが、マーシャの前では氷魔法など何の役にも立たず。
代わりに土系の拘束魔法が放たれた。
そして天使から付与されたスキルによって、ミストルに与えられたスキル2つがマーシャによって回収される。
「バササ」
「スキルプレデーション」
「え!」
「おぬし転生者じゃろう」
「おまえは誰だ!」
「アルフレア王国の第三王女マーシャじゃ」
マーシャは既にミストルの情報をアナライズしていた。
本来ならば普通に挨拶するところだが、この場ではそんな悠長なことなどしてはいられない。
ミストル・グラディ・サザラード
9歳
種族 竜魔族
犯罪係数 イエロー 27(100)
女
サザラード公爵家2女 王位継承権13位(現在は6位)
転生者 〇神の手先
魔法熟練度 9872/1000級
剣術 676/700級
小剣術 465/500級
槍術 270/300級
体術 294/300級
HP 29000/30000 ヒットポイント(体力)
MP 7276/90000 ミッションポイント(マジックポイント)
SPD 2766/3000 スピード(足の速さ)
AGI 2655/2700 素早さ(敏捷度、魔法詠唱+補正)
AT 9675/9800 アタック(攻撃力)
MAT 33109/32900 マジックアタック(魔法攻撃力)
DF 53548/55000 ディフェンス(防御力)
MDF 64521/65000 マジックディフェンス(魔法防御力)
FA 245/300 フィンガーアクション(器用さ)
IT 1767/2000 インテリジェンス(脳力、頭の良さ)
魔法※火8水9土8風9聖2光2闇10無9
予備スキル※(家事全般、魔法、防御、身体能力向上、内スキル捕食とスキル同化は敵スキルによって無効化されました)
※装飾品一つ一つを鑑定するには他のスキルが必要
現在の悩み 魔族の王におれはなる まずはエルフの里を手に入れる こいつが神が言っていた敵か?
まさかこんなところで偶然出くわすとは思わなかった。
これで天使から頼まれた最初の仕事は無事完了したのだが、まだ女神から頼まれた仕事がある。
邪神の手先をやっつけろという、やり方も進め方も全てこちらに任せるというような任務。
だが目の前にいる転生魔族の娘には〇神の手先とある、〇が示す意味が何を指すのか上級スキルの鑑定でも不明なのだ。
神の手先ならばマーシャと同じく邪神の敵となるのだが〇神というのはいったい何なのだろうか?
丸投げされた仕事をこなすにはあまりにも情報が少ない、だがマーシャにとってはそれが楽しみなのかもしれない。




