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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第6章 もう一人の転生者
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聖ロマール教会の枢機卿

聖ロマール教会の枢機卿


マーシャの手に渡った旧ミッチェル・グレイド侯爵邸、国を裏切る前は聖ロマール教会への献金が常に上位にいたという人物。

その陰で魔族へと王国内の物品を横流し、魔族からは奴隷などを買い漁っていたのだろう。

王国が流通を禁止している物を手に入れ、国内で高く売りさばく。

中には武器や薬なども扱っていたと聞いている。


「くそう、やはりあの小娘見つけてしまったか…」

「まさか地下道があったとは…」

「お前がぐずぐずしておるからだぞ」

「私のせいですか?」

「違うのか!」

「主がここは私の家になると言ったから先に調べていただけです、地下道だとか奴隷だとか聞いておりませんでしたよ」

「お前も一度あの屋敷に連れて行っただろう」

「それは主も同じでは?」

「言い訳するな!」

「…」

「だがこれでは奴隷もお宝も手に入らなくなってしまったぞ」

「何かまずいことでも?」

「聖教会の教皇選挙は来月だぞ、こちらの押す教会長を教皇にするにはまだまだ資金が必要だと言っただろう」

「ああ、それでですか」

「枢機卿という立場はそれほど実入りの良いものではない、教会が統治する地区を任されている貴族の一人でしかないのだ、聖教会に寄付する資金が多ければ我らの推す教会長が教皇となり魔族を討伐するよう王国の政治に口を出すことができる、今の教皇は穏健派だからなかなか我らにとってうまみも無かったからな」

「ですがお仲間だったミッチェル卿は魔族と取引するほどだったのでは?」


そう、敵とつながっていたミッチェル卿が仲間ならばカーマインの言動はまるっきり逆だと言ってよい。

聖教会の枢機卿の一人がなぜ魔族側の貴族と繋がっていたのか。

それはどちらの情報も手に入れることが可能であり有事の際にはこちらの有利な情報を流して敵対させることで、自分達に有利に働くよう情報を操作することができるからだ。

それに王国では手に入らない奴隷や珍しいお宝を手に入れられるといううまみもある。

実は聖教会の中にも魔族のお宝を欲している人物が数人いたりする。

特に西側の地区を管轄している教会長や貴族はそういった物を欲しがっていたりする。


「これでは教皇選挙で優位に立つのは難しいな」

「どうします?」

「早急に別な手を考えなければ…」


お金が無ければ次はどうするのか?選挙においてお金は通常、票を持つ権力者の懐柔に使用される。

最低大金貨100枚で投票権を持つ教会の主教を懐柔することが可能だ。

最低でも5割以上の票を獲得できなければ西地区の教会長であるムスカリム・ラムドリッドを教皇へと押し上げることなどできない。

ならばどうするか?次にできる手は敵対する教会長を候補から引きずり落とす事、彼の作戦は他の候補者をいかにして悪く見せることができるのかという事になる。

自分が推す候補者の人気が上がらないのならば、対抗馬として出馬した教会長の人気を下げればよい。

だが果たしてそれがうまくいくのだろうか?


「それにしても10匹も奴隷を囲っていたとはな」

「あれらは貢物だったのでしょうか?」

「私はそう聞いて居るが、珍しいエルフや獣人達、売れば1匹で大金貨50枚は超えると言われているからな」

「残念ですね」

「いやまだ手に入れる方法はある」

「どうやって?」

「まあそれは見てのお楽しみだ」


彼が何を企んでいるのかは徐々に分かってくるだろうが、それはマーシャにとって面倒なことであるに違いない。

ロマール聖教会の枢機卿の一人、物事を企むのが好きなご仁であり。

裏で何をしてくるのかはわからない、だが彼はかなりうまく立ち回っているといえよう。

自分から物事を率先して行うのではなく、情報を操作して手柄を立てたい人間を見つけてはそそのかす。

中々腹黒い人物のようだ。


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