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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第6章 もう一人の転生者
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魔王国の4人

魔王国の4人


大会が終わると全員が大会の余韻を胸に自国へと帰らなければならない、魔王国の第一皇子マリオスと第三皇子クロイス、そして第二皇女のロキシーとクロイスに同行してきた従者のグロスゾーヴィル。

カチュアだけはマーシャが面倒を見ることで全員の了解を得ている、そうしなければ彼女の居場所が魔王国にはないからだ。

まずはマーシャの元で学び強くなること、これは基本でありそれ以外にも沢山覚えなければならないが。

カチュアのことでマーシャに対して異論を唱える者はいないだろう。

学院の朝はメイドたちの足音で始まる、もちろんメイド以外にも慌てる者たちは沢山いるのだが、別に大会中だからと言って授業が無かったわけではない。

むしろ大会中おざなりになっていた勉強をこれから必死でやらなければ、大事な試験を落としてしまうことになる、そういえば期末試験が年末に行われるという話。

学生の本文は勉強であり、お祭り気分の頭を当たり前の日常へと入れ替える作業が必要となる。

大会中、魔王国の4人は魔王に無理を言って滞在を許可してもらっていた。

ペアの試合では思ったように実力を奮うことができなかったようだが。

急ごしらえのペアでさえ全員がベストエイトに名を残すことができたのだから、その実力は保証されていると言える。

それぞれ思うところはあるだろうが、大会は来年も行うと王様が公言したことにより、大会実行委員会の設立許可申請が無事財務部に受理されたようだ。

委員会を発足させる事になれば国の一大行事となり、今回よりもさらにしっかりとした取り決めなどもされることだろう。


「もう帰らなければいけないなんて…」ロキシー

「本来ならば1週間前で帰国するはずだったのだから、これ以上長居はできないだろう」マリオス

「そうですね、今回のことで自分の力がまだ及ばないとはっきり確認できました」クロイス

「それは私もです」ロキシー

「あ マーシャ様!」

「おはよう皆、忘れ物はござらぬか?」

「美しい」マリオス&クロイス

「皆さまどうしました」グロシュ

「お前にはわからないのか?」

「一応チャーム系の魔法には耐性がありますから」

「本当に変わられましたね」マリオス

「うぬ、約5年という月日がサザールダンジョンで過ぎたことになるらしいな、できれば前の姿の方が楽なのじゃが、これも運命じゃ。魔王殿にも説明しに行くが、くれぐれも無理にサザールダンジョンには挑戦しないようにな」

「分かっていますよ」

「私ももうこりごりです、ですがマーシャ様のチームでクリアを目指すならまた参加してもよろしいのですよね」

「それは構わぬが今度は別のダンジョンになる、それよりも今度は学院のカマキリ女史の許しを得てからにした方がよいと思うぞ」

「カマキリ女史?」

「ラプトル先生の事よ」

「ああ あの先生か」

(カマキリかなるほど)

「それでは名残惜しいですがもうお暇しようと思う、父に早く伝えたいこともありますので」マリオス

「うぬ、元気でな」

「マーシャ様、さようなら」

「またな」

「みんなによろしくお伝えください」

「分かった」

「シュン!」


4人は王国の転移魔方陣から瞬間移動で魔王国へと帰国した、数日後にはマーシャも魔王の元へと出向かなければならない。

グラッダの事やロディトル公爵の傘下であるジャベリン伯爵の事。

そしてサザールダンジョン攻略のことなどを伝えるために、やらなければならないことが目白押しだが、これも天使や女神から頼まれた仕事に関わってくること、すべては神の意志なのだろうか。

魔王国が抱える闇の部分へと切り込むためにもマーシャはこれからも戦い続けるだろう。


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