次は魔術の部、表彰式
次は魔術の部、表彰式
魔術の部は結果的に4位から8位までが欠員となっている、魔術の部に出場して勝ち抜けたうちの半分が魔族だったからだ。
【魔術の部、表彰式を始めます】
「おめでとう」
「ありがとうございます」
【魔術の部第三位マールン・キュラーソ様】
「はい」
「よく頑張った」
「あ 有難うございます!」
魔術の部第三位は彼女のみで、他は魔族の工作員だった。
棚ぼたと言われても仕方がないが、それでもベスト4まで勝ち続けたのだからそれほど弱いと言う事ではない。
手に入れたのはレインボーロッド、魔術士ならば一度は手に入れたい一品だ。
【魔術の部、準優勝リリアナ・シュローダー様】
「よく頑張った」
「うう」
「よしよし」
まさか泣き出すとは思わなかったが、それほど悔しかったのだろう。
スライムで動きを封じる作戦は巨大な魔獣相手にしたならば、かなり実戦的な作戦だろう。
相手が魔法さえ使えなければあの状態から逃げることなど難しいはずだ。
「これをおぬしに預ける」
「え…」
賢者の杖:世界樹と言われている古木の幹の中心から魔法で切り取ったと言われている。
そこに魔法金属を合成し中心部に土台として使用している。
トップには巨大な黒魔真珠をあしらったこの世に一つしかない魔杖。
「おぬしの為に作った杖じゃ」
「あ ありがとうござい…ます~」
杖の部分は5日前には出来上がっていたのだが、肝心のトップに沿える宝石をどうするか?考えていた所に、サザールダンジョンで手に入れた黒魔真珠がピッタリフィットしたと言う形。
10センチはある黒光りする真珠には魔法を10種以上付与することができるので、後で好きな魔法を付与することで得意な魔法のアシストが可能になる。
「あと、これもじゃ」
「す 素晴らしい」
そしてオートクチュールのマジックドレス、ベーシックな形をそのままに質素だが使われている布や糸は最高級な素材をふんだんに使用した一品。
ドレスと言うより魔術師の正装と言った感じであり、正統派魔術士ならば誰もが欲しがるドレスに仕上げた。
【魔術の部、優勝ダーラ様】
「わー」
「おぬしにはこれじゃ」
「おー」
それは同じく黒魔真珠で作られたネックレス。
こちらはそれほど大きくない粒を厳選して魔法で作った物だ。
真珠の粒一つ一つに魔法を3つ付与できるので、最高60種の魔法を付与できる。
「後は?」
「おぬしは魔道具壊したじゃろう」
「え~あれは不可効力と言う物じゃろう」
「ならば新しくメイド服を作ってやろう、どうじゃ?」
「うんうん」首を縦に振る
「今度のメイド服は破けないように頑丈に作ってやろう」
メイド服のどこが気に入ったのかはわからない、ダーラだけでなくチームマーシャの魔族達も何故かメイド服がお気に入り。
まるでそれが制服だとでも言わんばかり。
但しそれぞれが着ているメイド服にはそれほど高級な布地や糸を使っているわけではないので。
いずれバトルにも使用できるメイド服を作成しようかとも考えていたりする。




