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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
王国武術魔術大会完結編
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表彰式、武術の部

表彰式、武術の部


初めての試みだったが大会は王族総出の出場によってかなり盛り上がった、賞品として出されたお宝が目当てではなくとも。

大会に出て自らの強さを測ってみようとするものは多いだろう。

魔族の横やりが有っても冷静に対処できたことが、現在の王国は外敵に対しても盤石であると国民に示せたことがさらに大きな利益となった。


【それでは表彰式に移ります、審査委員長第三王女マーシャ様】

【コホン 本日はご来場誠にありがとうございます、これより各部の勝者に賞品の授与を行います】


ベスト8まで参加賞と景品が授与され、各部門3位までがマーシャの作成した武具や魔法具、そしてジュエリーなどが贈られる。


【武術の部、おめでとう】


4位から8位までの参加賞は全て戦士の腕輪であり、魔石が2つ装着されているので後で魔法を付与することによる改造が可能だ。

そして3位は2組、それぞれにAクラスの武具が贈られる。


【おめでとう、よく頑張った】

「ありがとうございます」


魔族が関わった試合は没収試合となった為、3種目合計6チームが除外されたので戦士の腕輪は合計18個から6個引いて12チームに贈られることに。

賞品の腕輪はブティックマルシャ―ルのジュエリー部門によって用意されている。

造型をマーシャが考えフロウラとジル、そしてブティックマルシャ―ルのお針子や造型師に頼んで作らせた特注品。

武具屋やジュエリーショップに売ったなら一つ大金貨5枚以上の値が付く代物。

3位の賞品は基本的に武器(武具)で、Aクラスの剣は青魔鋼で出来た刃渡り1メートルの剣。

又は刃渡り30センチの槍かもしくは魔鉱石をあしらったレインボーロッドなどだ。


【武術の部準優勝カユーラ・ビラット様】解説者

【おめでとう】

「有難うございます」


マーシャから渡されたのは忍刀(飛走刃)SSクラスSRの武器。

刃渡り68センチ厚みを薄くしたため軽くそしてしなやか。

その名の通り飛ぶように刃が走る、魔石によって風魔法を仕込んであるので魔力を込めると斬撃を飛ばすことができる。

勿論自動修復や各種アシスト魔法を付与されている武器だ。


「うひょー」カユーラ


そして武術の部優勝、ラランカ・バイエルン。


【武術の部優勝、ラランカ・バイエルン様】

【よくやったな】

「姫様…」


渡されたのは武具と防具、既にマーシャから幾つかの魔法具を借りてはいるが。

それらとは別に特別にこしらえた魔法具だ。

虎牙嵐こがらし、手に嵌める武具であり4枚の刃が爪のように見える。

これは片手に嵌める武具であり籠手の性能も持つ。

刃の大きさは4枚ともに15センチ、曲刀を刃先でカットしたような形だが装着した時の負担が少なくなるように工夫されている。

獣人の場合変身した時、手の大きさや形状はかなり変化するのだが、そのような時にも対応できるような作りだ。

素材を厳選し作成することで人型の時と同じように装着したまま戦える武器を想定した。


「有難き幸せ」

【それとこれじゃ】


上下に分かれた防具、魔法によってその形が変化する。

我乱紋ガラモン・変形装着具、2ピースだが内布に斑蜘蛛の糸や虹天鳥にじてんちょうの羽根を使って編み上げた特殊な防具。

此方は音声で変化するように作られている。


「この武具はな、ヘンシンと言えば変化する優れものじゃ、付けてみよ」

「こうですか?」


上はジャケット、下は腰ガードと言う形だが、言葉を発すると…


「ヘンシン!」

「シュシュシュシュシュ」


薄い布が武具が覆われていない場所をまるで這うように覆い出す。


「あう…ン こ これは…」


現在のラランカは人型に変身しているので、肌のほとんどに毛が生えていない状態。

頭と手の甲にはやや白い剛毛が生えているが首や胴回りには毛が見られない。

身長は2メートル近い獣人女性だが、胸はかなり大きいわりに胴回りのクビレは人とは比べられないぐらいメリハリがある。

その体全体を斑蜘蛛の素材で作られた魔法具が魔法によってピッタリと覆っていくのだ。

そのままでもかなりの防御力を誇っているが、全体を覆う事により魔法耐性が倍以上にアップする。


「どうじゃ?」

「す すごい だけど…」

「だけど?」

「くすぐったいです」


獣人のほとんどは大きめの布を着ている場合が多い、それは変身時に着衣を破ってしまう事が多いから。

特に猫系獣人は体毛を触覚代わりにしている場合も多い、ヘンシン仕様は特別な場合にのみ使用することが妥当だろう。


「でもこの武具がすごいのは分かります」


魔石を3つ、防具の上下それぞれに装着し魔法は合計10種付与してある、国宝級の武具と言っても良い。


【す すごいお宝だ―】

「わー」


その姿は古の獣戦士を彷彿とさせる。


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