審査委員長マーシャ
審査委員長マーシャ
165センチぐらいだった身長がいつの間にか176センチになり、ローヒールの編み上げブーツを履いてひざ下丈のスカートを翻す。
長い金髪はまとめて三つ編みにして、その束をクルっとまとめて宝石を散りばめた櫛を差す。
何処をどう見てもその姿はりりしい騎士装の美女であり、誰もが憧れる強く正しく美しくを絵にかいたような姿だった。
「わー」
「ま マーシャ様?」将軍職一同
「う 美しい」
「済まぬ理由は後で話す」
「はっ!」
【それでは本日大会最終日、決勝を始めます】
観客席からも熱い視線が注がれる、生前には無かった事だ。
生前ならスポコンヤンキー少女に向けられる視線は残念な物ばかり、ある種のもの好きには変質的な眼差しを向けられることもあったが今は違う。
ほぼ全ての男性の目を釘付けにする美貌を得た、しかも化粧など一つもしていない状態での話。
【それでは審査委員長マーシャ様から一言】
この姿の違いに殆どの者が気付いた事だろう、多分別人かもしくは姉妹だと思った者は多いのではないだろうか。
【これより武術魔術大会、決勝戦を行います正々堂々戦い見事勝利すれば、このような賞品が待っておるぞ!】
そう言っていくつかの武器や防具をストレージから取り出す。
「おー」
「だから変わってないって」観客
「えー胸の大きさが違うって」
「お前何処見てんだよ」
「姫様きれーい…」
「なんか別人みたい」
「別人じゃないのか?」
「顔はおなじでしょう」
「俺は魔法で隠していたんだと思うぞ」
「わざわざ子供に見せていたって事?」
「ああ、その方が可愛いじゃないか?」
「そう言えばクラールダンジョン攻略したのもあの姫様だったよな」
「聞いた聞いた、やっぱりあれが本当の姿なのよ」
「もしくは昨日迄は妹で今日は姉の方とか…」
「まさか~」
魔法がある世界、姿は魔法によって変える事が可能という事だが。
だからと言って1日でこれほど変える必要が何処にあるのか、まさか1日でこれほど背が伸び胸が膨らむなどとはマーシャでさえ思いもよらなかった。
海洋ダンジョン攻略の副産物がこのような変化を及ぼすとは、この変化を尋ねられてなんと言い訳したらよいやら。
絶対に王様や第2王妃からは質問攻めにあうだろう。
【それでは武術の部、決勝戦を始めます】
武術の部はどちらもチームマーシャの戦士、ラランカとカユーラの勝負。
どちらも獣人であり人の力を軽く超えている。




