大会最終日
大会最終日
いよいよ武術魔術大会の最終日、朝から女子寮は騒がしい。
「リリアナです、早めに会場へ参ります」
「分かった」
「う~ん、リリアナ様お早いですね」
「眠れなかったのではないか?」
「そうかもしれないですね」
「おはようございますマーシャ様」
「おはようカチュア」
「女神様…」
「ん どこに?」
「あ いいえ なんでもありません」
マーシャ自体も少し違和感を感じていた、この世界には鏡のある場所が少ない。
自分の姿が少し変わった所でそれほど気にはならなかった、昨晩のルーティーンでも手足が数センチ伸びたことなどそれほど気にしなかった。
だが、この部屋には鏡が有ったりする、昨晩はもう遅かったのでわざわざ灯りを燈して見る事もしなかったが。
寝間着の袖や足元が短くなっているのを見て鏡を覗き込む。
そこにはアマンダとはまた違った美しさを持った女性の姿があった。
「なんだ、これが妾か…」
「昨晩も言いましたよ 何で? ですかって」
「これはダンジョン攻略のせいじゃと言ったじゃろ」
「マーシャ様~ショックです」
「仕方ないじゃろう、そう言う仕組みのダンジョンだったのじゃから」
「お着物は?どうするのです?」
「そうじゃ!」
ストレージ魔法でサイズの合う服を取り出す、バトルドレスも制服も、外側は何とかなるのだがインナーは全部小さくなってしまった。
「斑蜘蛛のインナーしか無いな…」
「ブティックへ行けば在庫があるかも…」
「そうじゃな」
バトルドレスも胸がきつくて合わない物がほとんど、インナーは伸縮素材で作られた物だけは何とかなりそうだが。
問題は胸に付ける下着とパンツ、今まではそれほど大きくなかったので不必要だった。
これからはそういう分けにはいかなくなった、そのサイズはアマンダとどっこいどっこいにしか見えないほど大きく変化している。
「こんなになるまで気が付かないなんて」
「昨日迄はこれほど大きくなど無かったのじゃがな」
「時間差ですか?」
「その可能性もあるな…」
「愚痴は後じゃ、すぐに食事をしてブティックへ行くぞ」
「はい」
まさかこんなことになるとは思わなかった、昨日ダンジョンから帰ってきたときはそれほど気にならなかった。
まじまじと見てみると、自分の胸なのにまるでそこだけが別人のような感じだ。
全体のプロポーションは誰もが認める理想のスタイル、どう考えてもEかもしくはFは有りそうだ。
「これ何を見ておる」
「おいてかないでください~」
「仕方のない事じゃろう」
「ずるいです~」
フラン11歳まだ身長は伸び盛り、胸は今の所大きな変化なし。




