魔族の策略を阻止
魔族の策略を阻止
自分達が知らない所で様々な企みが蠢いていたと言うのを聞いて、学院に通っている全員が事の次第を聞いて憤りを感じる事だろう。
もしかしたら自分がターゲットになっていたかもしれないのだから。
「それで だったの?」
「彼らが3回戦まで勝ち進んでいたのは本当の事」
「それが理由だったわけね、不戦勝って」
「武術の部も魔術の部も魔族にとってみればたやすく勝ち進むことができたと、うそぶいておりました」
「むかつきますわね」
「まあ彼らの力はそれだけこちらより強かったのは確かな事」
3回戦までは魔族の力で勝ち進むのはさほど難しくは無かっただろう。
但しその先には学院でも上位に属する強者が待ち構えているのだ、勝ち進んだとしてもいずれ壁にぶつかるのは目に見えている。
「これで地方の貴族も武力の鍛錬に力を入れる事でしょう」アマンダ
「それは当然の事です」リリアナ
「では先日もここ女子寮に魔族の間者が忍び込んだのですか?」
「済みません、私がターゲットだと判っておりましたので事前に罠を張っておりました」
「マーシャに任せておけば安心ですもの、横から手を出して事を複雑にする必要はありませんわ」
「ご理解いただきありがとうございます」
「もうそろそろ、その話方は変えても宜しいのに」アマンダ
「うんうん」リンダ
「では、お言葉に甘えて、妾の見立てでは潜入したジャベリン伯爵の計画で間違いはないと思う、じゃが彼に命令したのはロディトルサザーラード魔公爵であろう」
「魔王国の五大公爵家の一つですわね」
「前回のいざこざでは日和見をしていた御仁じゃな」
「それでどうするのです?」
「まずは魔王と話してこちらの意向に対して許可を貰おうと思う」
「また一人で行きますの?」
「一人の方がやりやすいのでな、妾のいない間にこちらに何か有れば皆が対応してくれるのじゃろう?」
「そう言われると、マーシャに任せるしかないわね…」
「その代わり」
「その代わり?」
「きっちりけじめを取ってきてくださいまし」アマンダ
「あいわかった」
第一王女アマンダ、そしてローラン公爵家リンダ嬢を前にして、事の顛末を話すことになった。
この二人には隠すと返って面倒なことになる。
どちらも正義感溢れる人物であり、学院でもかなり有名な人物でもある。
出来ればマーシャについて行って何か手伝う事でもないか?と言ってくる可能性が高い。
先に断りを入れておかないと王族全員巻き込んだ事件に発展する可能性も出てくるのだ。
王様とも一度相談した「私のケンカです」私事、戦争ではなく売られたケンカであれば、国として何もする事は無い。
マーシャが手助けを頼んだならば話は違ってくるのだが、今の所王様に対してこの件での頼み事は無い。
一応何をしたかは話しておくが、手助けは無用と言ってある。
だから将軍職でさえマーシャに一目置いて接しているのだ。
実はマーシャが6歳になり学院へ通う際に王様から将軍全員にお達しが出ていたりする「第三王女マーシャには逆らう事なかれ、第一王妃の占いである」
他の王女とは違い特殊な能力を持っていると第一王妃の予知スキルでアンタッチャブルと言う命令が下った。
それを知っていたとしてもマーシャの力を直ぐに信じられる人は少ない、仮にも将軍職を預かる強者達。
マーシャの日頃やっている訓練を覗き見て王様の言った事が真実であり、いずれ王国を背負って立つ器がある人物だと再確認するに至った。
中でも最古参のグラムス・ゴルドア将軍(ゴルドア公爵)は真っ先にマーシャの力に惚れてしまった人物。
まるで孫のように感じているらしい、マーシャにはそう言うスキルもあるので仕方のない事だ。




