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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
王国武術魔術大会完結編
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天界(裁定の場)

天界(裁定の場)


始めてくる場所だった、もちろんマーシャもこの場へ来るのは初めて。

ふと見れば自分の姿が生前の姿に戻っていたりする、魂に刻まれた自分の姿。

そして何故かグラッダの姿まで今までの魔族の姿から、いつの間にか生前人間としての姿に変化している。

もしかしたらそれがグラッダの前世の姿なのかもしれない。


「よく来たわね」アテナ

「ここは?」

「裁定の場よ、あそこから先は貴方も一度来た事が有る天使の選別よ」


広い空間だが遠くになにやら門の形をしたオブジェクトが見える。

そう言えば天使の選別には死んだ後でお世話になった気がする。


「この子ね」

「ああ悪さばかりするんで連れてきた」

「はあ?お前は誰だ!」

「女神アテナと申します~」

「女神だと!」

「そうよ~」

「俺をどうする気だ!」

「あなたは他の世界でやり直しね」

「え?」

「どうせ今までもたいして面白くなかったのでしょう?」

「ここから先へ行けば過去も未来も最初から始まるだけよ、その方が良いわよね」

「ちょっと待て、俺は死ぬのか?」

「いやなの?」

「考えさせてくれ」


その姿は少し小太りの叔父さんと言ったような姿、いかにも後輩に無理難題を押し付けて困らせたり若い女性にいたずらを仕掛けると言うような悪さをしそうな外見ではある。

だが、転生する時過去の記録は抹消されることにより性格自体は受け継がないはず。


「それよりもハルチャン」

「お菓子か?」

「分かっているじゃない」


そう言うと目の前に椅子とテーブルが現れた。


「お前らなんだ、その態度は!俺の重大な人生の岐路なのに!」

「そんなだから良い結果を得られないのよ、貴方も座りなさい」


女神とのお茶会、確かに定期的に呼んでくれと言われていた。

まあそれは構わない、この場の時間はいくら過ぎても現世での時間は1秒も進まないようになっている。


「ずずず」


いつの間にかお茶まで目の前に出ていた。


「美味しいお菓子とお茶が有れば後は何もいらないわ~」

「そんでこいつはどうなる?」

「また記憶を消して他の世界へ送るだけよ、裁定では死んだことにしてやり直すと言う事ね」

「まじかよ…」グラッダ

「そっか」

「おいふざけるな、そんな簡単に決めるな!」

「あなた邪神に会ったわよね」

「邪神?あああいつか、この娘をやっつける為に冥界の魔物を紹介してくれた奴か」

「あなた今の世界に転生した時にもその邪神が手を回したのよ」

「そうなのか?」

「ダークちゃん(邪神)ってね、次の生を得る魂には事前に手を出して自分の言う事を聞きやすくなるように仕向けるの、そうすれば次の世界で自分の言う事を聞かせやすいでしょう」

「俺がこんなに悔しい思いをするのはそいつのせいだとでも言うのか!」

「あなたまんまと騙されたのよ」

「だまされる奴も悪い様な気がすんだけど」

「そう言う魂を選ぶのよ、ダークちゃんは」


要するに目を付けられた魂であり、まんまと罠に嵌められていると言う事になる。


「じゃあ次はそいつが関わることが無いんだな?」

「正解、ここに女神と正義の神がいるんだもの、次は普通に生を全うできるわよ」

「分かったあんたらに任せる」


本当は制裁を食わせようと思ってこの場に召喚したのだが、まさかそんなに前から邪神が関わっていたと言う事になれば、制裁と言うのはいかがなものかという事になって来る。


「それじゃあなたは天使の作業場へGO!」

「シュン」

「良いのか?」

「だって仕方ないと思わない?」

「まさか選別より前から邪神が関わっていたんじゃな」

「そうなのよ、でもまだたくさんいるからハルチャン頼んだわね」

「え?という事は神の裁定でこの場へ邪神の手下をつれてこいってこと?」

「正解!やっぱりハルチャンはヘラスちゃんに選ばれただけの事はあるわ~」

「まあ請け負った仕事はこなしてやんよ」

「頼んだわね、バチコン」ウインク


女神がウインクをすると目の前には牢屋の格子戸が有り、牢の中にいたはずのグラッダの姿は何処にもなかった。


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