ペアの部・第五回戦(アマンダ・フォルダンVSリカルド・ロキシー)
ペアの部・第五回戦(アマンダ・フォルダンVSリカルド・ロキシー)
ペアの部第五回戦の組み合わせは。
第一試合がアマンダ(第二王女)・フォルダンペアVSリカルド(第三王子)・ロキシーペア。
第二試合が王様・第2王妃様VSトラム(第二王子)・リンダペア。
と言う組み合わせになった、ロキシーがアマンダにどのぐらい肉薄できるのか。
そして王様のペアに対してトラム・リンダペアが何処まで対抗できるのか。
どちらも面白い組み合わせになっている。
【それではペアの部、五回戦第一試合を行います】
「この組み合わせはマーシャ様が決めたのかしら」
「そうではないみたいだぞ」
「どちらにしても王族同士の戦いになったわね」
「中々面白い試合になりそうじゃな」ダーラ
「王様の戦い方も圧巻でしたわね」
「リンダ嬢が王様ペアをどうやって攻略するか見ものだな」
「アマンダペアとリカルドペアの試合も面白そうだ」
観覧席で試合を見ているチームマーシャと学友達、いよいよ明日の決勝に出場する最後の二組が決まる。
「用意は宜しいですか?」
「ええ、大丈夫よ」
「こちらも大丈夫だ」
いよいよ本日残るは2試合のみ、マーシャが手に入れた極大ダイヤの指輪を掛けた試合。
アマンダもリンダも手に入れたならばその後は結婚と言うイベントが待っている。
特にアマンダはフォルダンとの婚約解消が、うまく行けば再度婚約相手として認めてもらえる可能性がある。
立ちはだかるのは王様か、はたまたリンダ嬢かそれとも目の前にいるリカルド・ロキシーペアか。
【始め!】
「プロテクション、スピードアップ、ガードアップ」
「フィジカルアップ、バリア、リペアメント、ディフェンスアップ」
双方が防御魔法や補助魔法をかけて行く。
「行くぞ!」
「おう!」
フォルダンとリカルドが中央で激しく衝突する、どちらも退かない。
「ガイン!」
「耐えたか」
「ソードマスターは俺も持っている」
「それはおめでとう」
「悪いが勝たせてもらうぞ」
「そうか、やってみるがいい」
「ガンガンガシュガシュン」
双方の剣撃が中央でぶつかり合う、その隙にアマンダがなにやら大きな魔法を使用する隙を伺っている。
「グランドメイク、タイプマーシュ、ロックレイン、ホーリーバインド」
敵の陣地すべてを泥沼に化す魔法、同時に岩の雨を降らし聖属性の束縛魔法で動きを止める。
そうすれば前衛は沼で身動きができないし、後衛もろとも身動きが阻害される。
どの魔法も敵陣を同時に攻撃する魔法だ。
「来ましたね、ダークウィング、レビトテ、リターンマジック」
地面がズブズブとぬかるんで行くのだが、ロキシーの魔法でリカルドは宙に浮いて躱す。
だが追撃の岩攻撃が容赦なく降り注ぐ。
「ドドドド ドン」
「グッ!」
「中々やりますわね」
「おほめ頂き光栄です ニコリ」
「では追加いたしますわよ!」
「アイスジャベリン、ホーリーアロー、ロックパペット、タイプアースドラゴン!」
まさかアマンダがリリアナのような土系操作魔法を使うとは思わなかった。
どうやら地面を柔らかくしたのはその下地作りを兼ねていたらしい。
出来上がった土人形は竜を模した形をしている、しかもその大きさは全長5メートルを超えていた。
「ズンズンズン」
「何!」
「アシッドレイン」
「ザー」
「やるわね」
「ガイン!」
「忘れるな!」
「グッ」
土人形の影からフォルダンが襲い掛かる。
慌てて盾を使い避けるが、宙に浮いているおかげで吹き飛ばされてしまった。
「ヒュン ドスン」
「クソッ」
「ヒール、リカバリー」
「あなたも」
「シュン」
「パンバン」
いつの間にかアマンダが瞬間移動でロキシーの真横に移動してきた。
しかも手にはいつの間にか別な武器が。
「ホッハッ」
「パシンバシン」
「え!うっ!」
真横から突き入れられたアマンダのコブシ、その手にはいつの間にかグローブがはめられている。
しかもコブシの部分には鋲が幾つも付いている戦闘用のグローブ。
アマンダは一応体術も身に着けていたりする、それは自衛の為であり魔法職としてのたしなみである。
普段の練習では素手で戦う事が多いが、相手の魔法職が魔族だと言う事もあり。
万全を期する為に体術戦用の武器を装着することにした。
その一撃は軽く見えるが、魔法がかかった武器はその素早さで威力よりも手数の方が勝った。
「いたいですー」
「えいえい」
「あーん」
「バシンパシン」
「はい!ヤ!」
「バキャン!」
最後はアマンダの美しい脚がロキシーの横腹めがけ突き刺さる。
「オー」
「ドガン」
リカルドが壁に激突したのを見て飛行魔法は解除したが、まさかの体術攻撃には避ける間もなかった。
手に持った杖で何発かアマンダの攻撃を防ぐことができたが、あまりにも早くとめどなく攻撃を受けた為。
ロキシーはいつの間にか切れてしまったガード魔法を修復することもできなくなり。
止めの攻撃を受けてあえなく撃沈した。
「あーん」
【勝者フォルダン・アマンダペア】
「久々に見たな、君の体術」
「出し惜しみしていたら大変なことになりそうだから、はりきっちゃったわ」
「大丈夫か?」
「俺は大丈夫だ」
「中々やるじゃないか」フォルダン
「悔しいが、また出直してくるよ」
「あなたもね」アマンダ
「ずるいです、強すぎます」
対人戦と言うのはそう言う物だ、隠していた戦法をいつ出すのかは試合運びにもよるが。
魔法だけで戦うと言う規定もない、もちろんフォルダンが先にやられてしまえばさらなる奥の手を出す用意もあっただろう。
だがリカルドの攻撃はフォルダンに対してそれほど脅威では無かった事で、一番の問題はロキシーの方だと言う結論に達した。
敵の魔法が切れたと同時に畳みかける、それは対人戦に慣れていないロキシーの欠点を見抜いていたからに他ならない。




