僻地の洞窟
僻地の洞窟
北の砦からやや南東へ100kそこは小さな泉のある小さな村だった。
朝6時村人は農作業へと向かう、いつものように鍬や鎌を手に持ち草刈や家畜の餌やりをする。
そんなのどかな風景があるはずだった。
北側の森からそれはあらわわれた、ゴブリンの群れ。
ゴブリンそれは魔族の作った人工生命体、元となったのは魔族の子供だがそこに手を加え魔族の尖兵として利用しやすくしたのだ。
ゴブリンは何でも食べ繁殖力もありまるでねずみのように増やすことが出来た。
そして上位の魔族には逆らえず命令を良く聞くように作られている。
その数200体、朝のすがすがしい風に獣のような臭さが混じっていた。
「ん? この匂いは何じゃ!」
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「なんじゃおまえたちは~~~~」
「ぎゃ~~~~」
「きゃ~~~~」
「たすけて~~」
「わ~~~~」
「にげろ~~~~~~」
その日、村が一つ魔物の群れに飲まれ村人は全て消息を絶った、この地区を治めているのは辺境領主であるジンジャー子爵家。
村が襲われたのを知ったのは4日後、辺境を回る商人の話から村が壊滅したという話が舞い込んだ。
辺境を守る子爵家の騎士団は総勢100名に満たないが、すぐに50人編成で壊滅した村及び周辺の調査を始めた。
コバルト・ジンジャー子爵、辺境を守備する領主。
「準備は出来たな、それでは出発!」
最初、調査は何事も無く進んでいった、村に着くとすぐ調査を始めたがそこには村人どころかゴブリンの痕跡も残っていなかった。
有ったのは壊れかけた家屋、そして手入れが行届いた畑に踏み荒らされた跡。
つい先日までは人が生活していたはずの痕跡だけは残っていた。
「どういうことだ?」
「たぶん全員連れ去られたかもしくは殺されてしまったか・・」
「主様ここを見てください」
それは足跡、森の中へ続いている沢山の足跡が残されていた。
ジンジャー子爵率いる辺境騎士団は足跡を追い森の中へ分け入った。
少し歩くとそこには洞窟らしき穴があり、足跡はその中に続いていた。
「中へ入るぞ」
「主様、危険です まずは偵察隊を編成し中を探ってからにして下さい」
「うぬぬ…解ったそうしよう、偵察隊を指揮してくれ」
この後洞窟へ入った偵察隊はもちろんのこと辺境子爵の捜索隊は帰ることなく、この場にいた者達も、伝令2名を除き殆ど返ってこなかった。




