魔術の部 決勝進出はダーラとリリアナ
魔術の部 決勝進出はダーラとリリアナ
互いに知らせ合わせていた試合だったがダーラが序盤迄マールンの魔法攻撃を受けまくって。
さらにわざとコケたり、わざと魔法の発動をそらせたりと。
上手い事動き回った結果、観客の目には僅差で勝ったように見えたのではないだろうか?
「ヤッパリあのメイド服の子が勝ったな」
「でも調子が悪いように見えたぞ」
「そりゃここまで何試合も戦って来たんだ、そろそろ疲れもあったんじゃないか?」
観客の感想を聞いて、少し笑いをこらえるチームマーシャ。
「うまくいったようじゃのう」
「そうなのか?」
「ええ、ダーラ様はかなり手を抜いていましたよ」
「主殿、チューンダウンの魔法具5つ付けても妾の方が倍以上強いらしいのじゃ」
「じゃあ明日はもう3つ増やすか」
「いいえそれはだめです」リリアナ
「良いのか?」
「できれば足枷は全部外して頂きたいです」
横でダーラの話を聞いていたリリアナは、明日の決勝で手を抜かないでほしいと頼んだ。
「おぬしがそれでよいのならば良いが…」
「…」
「分かった、じゃがデバフの魔法具5つはそのまま、ダーラの判断でリリアナの攻撃に耐えられないと感じたならば一つずつ外すと言うのでどうじゃ?」
「それは…」
「ならば最初の一発目でダーラに見せつけてやればよい、これでもかと言うぐらいぶつけてみるのじゃ」
「そのような事が有れば…」
「あれば?」
「ダーラとガチで勝負することを許可しよう」
「分かりました、全力でやってみます」
まあそれでもリリアナが身に着けている魔法具分の差はあるのだが、どちらが上かなど実際に戦ってみなければわからないこともある。
魔力量がいかに優っていようとも、戦術となって来ると別な能力が必要になる。
リリアナは魔力量としては人族の頂上にいるが、彼女の戦いはどちらかと言うと策謀の方が上のような気がしてならない。
全体の力はそう言った表には出ない戦略の部分も含めて測らねば分からない、そうでなければリリアナの勝つ姿は思い浮かばないだろう。
リリアナもマーシャと共に行動して最初の頃とは比べようもないぐらい全体のステータスは上昇している。
その数値はHPもMPも学院の誰よりも現在は上なのだ。
後はいかにうまく魔法を操り相手の欠点を見抜いてHPを削ることができるかだろう。
侮らず慢心せず今持てる力を十分に発揮することができたならば、もしかしたら大どんでん返しが見られるかもしれない。
「そろそろペアの第四回戦が始まるようじゃ妾は審査員席に行くので皆も応援頼んだぞ」
「ハイ姫様」
「お任せくださいマーシャ様」
いよいよ王族総出のペア部門、例の指輪がかかった第4回戦の試合が始まろうとしていた。
観客席からは大きな声援が上がっている、まずは選手入場。




