一瞬で顔色が青くなる
一瞬で顔色が青くなる
転生者システムの実態は神にしか分からない、マーシャもようやく少しは転生システムの流れが分かってきた。
過去の聖女もそしてダンジョンクリエイターも多分、別の世界で死んだ転生者だったのだろう。
ダンジョンの創り方や設定がまるで生前の世界で体験した事のあるゲームに似ている。
まあそれをこちらの世界の者に説明しても分かる人物は少ないだろう。
生前の記憶を持って転生したのなら分からなくもないが、ほとんどの転生者は生前の記憶を消されこの世界で生きている。
それにこういった世界の存在は一つや2つではないのだろう、いくつもの世界で人は生き暮らし死んで次の生を別な世界で与えられる。
それが神が作り出した転生システムなのだから。
「わはわはわははは」
「やったぞ!あのにっくき小娘を罠にはめてやったぞ!」小躍り
「グラッダ様やりましたね!」
「これでようやく次の作戦へ移れるぞ、あの小娘さえいなければ後は雑魚ばかりだからな」
「次の作戦は?」
「教えてほしいか?」
「はい!」
「それはな…」
「それは?」
「それは?」
「ん?」
「は!」
「早く次の計画を聞きたいのじゃが?」
「ギャー! なんでおまえがここに!」
「あわわわ…」グラッダの部下
帰還の箱を使って現実世界に戻ってきた、システムのレクチャー通り2分ぐらいの差だと聞いていたが、時間差は約60秒と言った所か。
しかもうまい具合にグラッダと部下の背後へ転送してきた。
魔法陣から数メートル離れた場所であり、グラッタ達がいる真後ろとは、ダンジョンシステムがこちらの思惑まで察して場所を指定しているとは思わないが。
マーシャ達がダンジョン攻略から戻る場所としては一番都合の良い所だった。
「どうして…なんで!」
「決まっておろう、サザールダンジョン攻略完了じゃ!」
「う そ …」
「固まっておる所悪いがおぬしは捕えさせてもらうぞ」
「にげ ・」
「フリーズ」ロキシー
(ナイスじゃ)
「パキキ」
逃げようとした部下を含めグラッダの下半身も凍り付く。
「ま さ か」
「このシチュエーションは予想していなかったようじゃな」
「あり ありえ ない」
「それは妾も同じじゃ、じゃがな 何とかなるものじゃな」
「はいマーシャ様」
2人は顔を見合わせニッコリ微笑む。
「おぬしはこの後尋問じゃ、チェーンバインド か ら の プリズンロック」
「ノー」
魔法の鎖で縛り上げさらに魔法でくみ上げた鉄格子で囲む、これで二度とマーシャの邪魔をすることも日の光を見る事も出来なくなるだろう。




