本来の95階層(転移魔法陣の間)
本来の95階層(転移魔法陣の間)
女神はお茶とお菓子をマーシャから出されると案の定、世間話をして去って行った。
まっ白の空間にお茶をすするために出した小屋をストレージにしまい込む、頂いたプレゼントは鑑定もせずにすぐストレージへとしまい込む。
どうやらピアスのような感じがしたが鑑定はしないで置いた、そうしないとインスタンスダンジョンが消えてしまいそうだったからだ。
女神が去り約1分すると景色は本来あるはずの95階層手前の魔法陣へと変わっていた。
だがそこには思わぬ先客が2人いた。
『おぬし達!』
『姫様!』
『よう』
『ようじゃないでしょう』
(口の利き方も教えないとだめね)
『無事に来れたようじゃな』
『ええ何とか来れました、もう一人は?』
『ロキはまだのようじゃ』
シャーズとアローリアは71階層のトラップで95階層まで飛ばされたらしい、話によるとトラップは海底だけではなく海中にもあるらしい。
彼らは魔物を攻撃したところで飛ばされたと言う話だった。
『ああ70階層のボスを攻略して71階層へ進んだところでだ』
『1匹だけ色の違う魔物がいたのです』
『それを攻撃したのか?』
『はい』
何処にトラップがあるかは階層によっても違うようだ、この2名は先にシャーズが攻撃してここまでジャンプしてきた、アローリアはそれを見て同じ色の魔物を攻撃したところ、同じように95階層の転移魔法陣の間へと転送されたらしい。
『姫様は?』
『妾か、先ほどまで女神とお茶をしていた所じゃ』
『女神さまと?』
『なんだ、楽をしていたのか?』
『楽と言えばそうかもしれぬ、おかげで余分な仕事を仰せつかったがな』
『それはどのような?』
『邪神の手下を改心させてほしいと言う事じゃ』
『改心?』
『やっつければいいだけじゃないのか?』
『倒すのはたやすいぞ、じゃが改心となると殺す事も出来ぬ』
『手加減しなければいけないのですね』
『まあなんとかなるじゃろ』
(やはりこの姫様は神の使徒なのね)
『それよりどうする?』
『先へ進むかですか?』
『ここで休んでも良いが、もしかするとロキが99階層で待っておるかもしれぬからな』
『まさか、俺達より先に?』
『トラップには最高99階層へ飛ばす物もあると書いてあったぞ』
90階層の転移魔法陣には注意書きとして、99階層へと至るトラップがあると書いてあった。
上手くそれを利用すればさほど戦うことなく99階層まで移動できると言う事。
その代わり99階層ではボスクラスのダンジョン魔物と戦う事になるだろう。
そうでなければ簡単に100階層にいるはずの聖海竜に会う事ができる事になる。
トラップで簡単に進めるのならどこかに最大の難所が無ければ100階層までは簡単に攻略できてしまう。
そう考えれば99階層にかなりの強敵が存在していなければダンジョンの構成が成り立たない。
『ならば先に進んで99階層手前で待つ方が良いと?』
『そこでロキと待ち合わせするが、おぬしらはどうする?』
『俺らは先に進みたいが、それならばいっしょに進んだ方がよさそうだな』
どうやらシャーズも魔法を覚えてようやくやばそうな雰囲気と言う物を感じる事ができるようになったようだ。




