サザールダンジョン92階層
サザールダンジョン92階層
グソクムシの階層は戦いを避けて次の階層へと進む、このダンジョンの攻略は必ず倒さなければいけない階層はボス部屋だけだと言うのが良いところだ、但し全体的にダンジョン全体が水中なので最初に必要なものを必ず取得しておかなければいけないのだが。
水中での行動がクリアになったとしても、慣れなければ進むことはやはり困難だと言えるだろう。
『腐食液は強硫酸のようじゃ』
『すぐに進みますか?』
『まだ食事時間には早いな、95階層まで一気に進むとしよう』
『イケイケ~』
『あなたは楽しそうね』
『そうかな~』
パーフェクトクリア報酬で手に入れた2つの剣が変身した姿はミニチュアの竜、性格はかなり違うようで水龍剣はお姉さまタイプで物知り。
火炎剣はお子様のような話し方で反応も子供っぽい、マーシャの肩に乗ったまま話しかけるとそれぞれに答えてくれたりする。
これならばロキシー達が居なくても道中は飽きなさそうだ。
『今度は海蛇、いやアナゴか?』
目の前を3メートルは有りそうな細長い生き物が数十匹、こちらを気にせず泳ぎまわっている。
『あれも毒が有りそうじゃな』
『毒と言うより粘液でしょうか』
『ヤツメウナギと言うやつか?』
どこかの番組で昔見た事が有る、生前 海釣りでは釣った事も無いが。
料理してもあまりおいしくはないし、ぬめりを取るのが大変だと言う話は聞いた事が有る。
『この手の行動阻害系魚類も多いな、いや他にもいるぞ』
『クマノモンだ~』
ベタベタウナギの周りを付き従うように泳ぎ回る20センチほどの魚。
よく見るとそれらはウナギと共生しているようだ。
『取りあえず、向かってくるのなら攻撃してみるか』
マーシャは重力魔法で自分の重さを5倍にしてから海底へと踏み出す。
『ン?どうやら歩いては行けないようじゃ』
『膜のような液体が全体に張られているようですね』
『僕の出番?』
『なんじゃおぬしこの状態をどうにかできるのか?』
『任せて!』
そう言われたからにはお手並み拝見という事で、火炎剣がどうするのか任せてみる事に。
『温度上昇沸騰しちゃえ!』
まさかこんな状態になってしまうとは思ってもみなかった。
火炎剣のフレアが自分の持つ能力で目の前にある空間に熱を与えると、あっという間に白く濁り辺り一面が固まり出した。
『これは…』
『海水が固形化したみたいですね』
『どう?』
『ウォーターカッター』
「ビシュシュシュシュ」
まるでゼリーのように固まった海水、ウナギたちやクマノモンも白いゼリーによって身動きできないままマーシャの魔法で刈られて行く。
そして2種のダンジョン魔物達は次々に魔核を残し姿を消す、倒した後にはネバネバした粘液や白く固まってゼリー状になった粘液も消えていた。
『こうなるのかなるほどな』
『どう?すごいでしょ』
『海中で料理するにはもってこいじゃな』
『え~それだけ~』
『まあ期待しておるぞ』
『わーい』
その後も難なく階層をクリアして95階層までやって来たが、そこには何故か海竜族の2名がいた。




