サザールダンジョン91階層攻略開始
サザールダンジョン91階層攻略開始
マーシャは一人残る9階層の攻略を始めた、もちろんここから先も今までに到達できた者など一人もいない階層だ。
仲間の所在地は今のところ分からないが彼らの事だ、何日かかろうともマーシャの後を追ってくるはず、そう信じて先へと進むことにした。
『暗いな』
『そのようですね』
『くらーい』
一人で攻略するのも寂しいので、水龍剣のアクアと火炎剣のフレアを獣化させて連れて行くことにした。
『あれがこの階層のダンジョン魔物じゃな』
地面に当る場所一面にうようよと動き回る虫のような生き物、まるで深海に生息するグソクムシのような形をしているが。
違いは総じて赤い色をしていると言う所。
『あれはもしかして毒があると言う事か?』
『時折口から赤い汁を吹き出しています』
『わーきもーい』
『実際のグソク虫とはやはり違うのかもしれぬな』
昔見たTVの映像では50センチほどの大きさで薄い灰色をしていたが、この世界のグソクムシは10倍近い大きさだ。
その大きさは一匹が3メートルを超しており、一番大きなものは10メートル近い。
そして時折起き上がると赤い液体を海中へと排出している、マーシャは泳いで行くかそれとも瞬間移動して行くかを迷っている。
『こやつらの攻撃特性を探ってみるか…』
『グラビティプレス』
「ズズズ…」
何匹かの頭上から重力魔法で押しつぶしてみるが、その場所は一気に赤い液体で覆われてしまう。
『くさーい』
『なんじゃこの匂い』
『酸性の液体です』
『毒は毒でも腐食毒のようじゃ』
こうなると攻撃するより瞬間移動しながら進んだ方が賢明だ。
『テレポーテーション』
「シュン」
先ほど重力魔法で押しつぶした場所を避けて海水の中を移動して行く。
マーシャが瞬間移動で現れると下から、もぞもぞと動き出し近寄って来る虫達。
「シュン」
「シュン」
「シュン」
数回の瞬間移動で出口とみられる扉へとたどり着く、91階層の魔物は床から数メートルまでを行動範囲としているらしく、泳いで追うと言うより重なって上って来ると言う感じだ。
但し同じ場所に長く留まると赤い腐食液の影響を受ける為、その場で戦ってしまうとかなり面倒なことになるようだ。




