ロキシーは45階層へ
ロキシーは45階層へ
目が覚めたのは45階層の転移魔法陣、そこには空気があり海の中では無かった。
周りを見渡すと壁には各階層でも見られた注意書きがある。
「どうして?」
「マーシャ様は?」
そこにはマーシャも海竜族の2人もいない、だからと言ってこの場所にとどまるわけにはいかない。
それは攻略をあきらめる事であり、マーシャならば攻略を諦めるようなことはしない。
自分のせいでこうなってしまったのだ、ここで足を引っ張るような事はできない、それに他の仲間が死に戻っているとは思えなかった。
それは一種の勘であり、戻ることを選択すれば自分一人では2度とここへ来ることはできないと感じたから。
1階の転移門まで戻り待つことはできない、自分一人であってもサザールダンジョン100階に行かなければならない、だがそれは今の彼女にとってかなり無茶な話でもあるが。
(あれはなんだったの?どうして皆別々に?分ける必要があったから?)
ロキシーにはなんとなくだが分かっていた、自分はやや魔法に特化している、肉体的には海竜族に劣るし、もちろんマーシャとの差は歴然としている。
(私だけ弱いから?なんで?)
答えは出ているのに以前の弱気な自分が顔を出す、戻るべきかそれともここで待つべきか。
「行ける所まで行こう!」
やってみなければわからない、マーシャと共にここへきてなんとなくやり方(戦い方)は分かって来た。
海水の中自分が一人で進むなら、やはり凍らせてしまえば良い。
後は穴を掘って進む、そのやり方は横で見ていた。
マーシャの魔法を横で見てきたし、少しMPの容量に不安はあるがゆっくり進めば回復する。
この場所へ来たのも、元はと言えば自分が捕まってしまったのが原因なのだ。
魔王国を追われて兄と一緒にマーシャ達と合流し、今は友人として師匠として教えを受けてきたロキシー。
あれから1年、ストレージには常に1週間以上一人で旅をできるぐらいの荷物を収納してある。
武器や着替えも10種以上は収納しており、ストレージ魔法を覚えてからは出し入れも何度となくやっている。
現在ロキシーの収納できる大きさは城一つ分である、重さで行くと千トンは収納できたりする。
いちいち測ったりしてはいないので本人はそこまで知らなかったりするのだ。
ちなみに魔力量は既に8699MPもあり、各種のアシスト魔道具を使用するとすでに1万MPを超えていたりする。
要するに1万MPあればストレージには千トンまで収納できることになる。




