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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第1章 王立アカデミー編
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魔王軍所属伝令隊

魔王軍所属伝令隊


「おい まだ終わらないのか?」


魔王様から授かった文書を届けるため魔王軍の伝令隊は早馬ならぬ早飛竜の用意をしていた。


「隊長 準備完了しました」

「よし 出発!」


3騎の飛竜が魔王軍の基地から魔王の親書を届けるため大空へ飛び立つ、だが途中で邪魔が入る。


「前方から飛竜接近!」

「敵か?」

「いえわかりません」

「今は構っている暇はない全速力でかわせ!」

「了解」


3騎の飛竜は編隊を組み飛行中だが、目の前に現れたのは飛竜の群れ。

その先頭には真っ黒い鎧を着た騎士が乗っていた。


「・・・・かかれ!」


黒騎士を先頭に飛竜の群れは伝令隊の3騎に襲い掛かる、何とかかわそうと努力はしたが相手の数が多すぎた。


「隊長!もう無理です」

「貴様だけでも、逃げろ!」

「そんな・・」

「早くいけ!」


襲い掛かる飛竜の群れに飲み込まれていくが部下の一人を逃がすため隊長は最後の力を振り絞り、空中で爆裂魔法を使用する。


「ぐっ 必ず届けろ~~~」

(ドカンッ!ブワッ!)


襲い掛かった飛竜と仲間一人を飲み込んで伝令隊隊長の放った魔法がさく裂した、かろうじて黒騎士が乗った飛竜は巻き込まれなかったが。

逃げた1人が乗る飛竜はすでにそこにはいなかった。


「くそっ!  戻るぞ!あとは魔狼隊に任せよう」


魔王国の西、アルフレア王国国境線まではまだ40kはある森の中、何とか助かった伝令隊員の一人アーセナル・ブルワーは鬱蒼うっそうとした森の中を歩いていた。

乗っていた飛竜は爆発から逃れはしたがその前の攻撃で羽を傷つけ、ほぼ急降下し森に突っ込んだ。

とっさに防御魔法をかけ飛び降りたので自分は助かったが、飛竜はたぶん死んでしまっただろう。

可愛そうなことをしたが、あのまま飛んで逃げるのは到底無理だった。


「何でこんなことに・・・」


隊長の放った爆裂魔法は自爆用の魔石封印型、投げて使うこともできたはずだが。

あの位置から投げても敵が逃げてしまうと分かり確実にひきつけ、さらに隊員を逃がすことのできる最高のタイミングで爆発させたのだ。

良い人だった面倒見のいい隊長だった、彼は直接戦うのを嫌い伝令隊へ志願した。

部下をかわいがり家族のように接してくれたが、こんなことになるとは・・・・


「あの黒騎士兜の後ろに製造所のマークがついていた、確かあのマークは・・」


魔王国の道具はほぼ全部ドワーフ族の製造所によるもの、軽く丈夫で付与魔法の親和率も高い優れもの。

そしてどの製造所で作られたのかマーク(焼き印)がついているひし形に羽の模様、それは魔王国北方ローデシア山脈の麓にある菱翼製造所の印、そこの製品は魔王家と公爵家それもコーパス家しか使用していない。

コーパス家といえば現王妃の家元、そこだけでも王妃側の関与が見て取れる。

現在魔王は戦争を回避するためにアルフレア側へ接触を試見ているがその邪魔をしているのがコーパス家だとの噂はすでに広まっている。

前王妃亡き後、王妃の座に収まったスルべリア・コーパス・ウェザラードのいた公爵家は、先に国境線の砦を襲った元伯爵家とは血のつながりがある。

アーセナルは鬱蒼と茂る森の中を南へと歩いていた、下草はそんなに生えてはいないが。

それでも木はかなり生い茂っているため日の光はわずかにしか届いていない。

この森を南に抜ければ獣人の住む村があったはず、そこまで抜ければなんとかなる、そう思っていた。


「ワウッ!」


黒騎士率いる魔狼部隊は北側から森の中を探索していた。


「まだ見つからないか?」

「この森は魔狼の鼻があまり効かないな」

「魔熊の住処が近いのか」

「その可能性が高い」

「命令通りの探索を続けるには少し厄介だが」

「隊長反応がありました」

「よしもう少しだ、必ず見つけろ!」


アーセナルは遠くに魔狼の鳴き声を聞き走り出す、今までは急ぎ足だったが。

これでは逃げ切れない、そう思っていた。


「ハアハア」

「クソッ!」


しばらく進むと川を渡りそしてさらに進む、そしてようやく森の木がまばらになってスピードも速くなっていく。

だが思いもよらない事態に陥った。


「グオッ!」


魔熊それも3頭どうやら親子のよう、このまま進めば彼らと接触、見つかればひとたまりもない。


(おい おまえ助かりたかったらこちへ来い)


声がするがそこには誰もいない、ハイディングの魔法か?


(わ わかった)


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